五洋建設、鹿島建設、寄神建設の3社は9月27日、共同で建造を進めていた1600t吊クレーンを搭載したSEP型多目的起重機船CP-16001がこのほど完成し、引き渡しを受けたと発表した。
建造は、マレーシア最大の国際的コングロマリットグループのKuok Singapore社傘下のPax Ocean Holdings社(シンガポール)が担った。引き渡し式は、9月8日、インドネシアのバタム島にあるGraha造船所で行われた。建造契約は2020年1月30日に締結、同年10月30日に起工、2021年に進水した。新型コロナウイルス感染症の拡大が長期化する中での建造だったが、関係者の尽力により、風車の大型化に対応した最新鋭のSEP船が完成した。このSEP船は3社による共同出資会社「PKYマリン」が保有・運航する。
今後は、11月より北九州響灘洋上ウインドファーム建設工事で稼働を開始し、9.6MWの風車25基の基礎工事の一部と風車据付工事を行う。また、2007年以降本格化すると予想される一般海域の洋上風力発電プロジェクトにおいて日本船籍の大型SEP船として、活躍が期待される。このSEP船は、日本の洋上風力発電の拡大に貢献するものとしている。
このSEP船は、全長123m、全幅45m、最大搭載人員100人で、洋上風車及びその基礎構造の大型化に対応して1600t吊全旋回式クレーンを搭載している。主クレーンのブーム長を130m、デッキ上からのフック高さを143m確保することにより、15MWクラスの風車を洋上で効率的に建設することができる。
基本設計及びジャッキアップシステムは世界のSEP船の7割以上を手掛けるGustoMSC社が、主クレーンはオフショアクレーンのトップメーカーであるHuisman社担当した。御用建設が我が国初の800t吊クレーンを搭載したSEP船CP-8001の建造で培ったノウハウを生かした最新鋭の作業船。居室はシャワートイレ付きで木製の家具とする等、船上働く人にも配慮したサステナブルな作業船となっている。
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