国際協力機構(JICA)は10月23日、モザンビーク共和国ナンプラ州ナカラ市において、円借款「ナカラ港開発事業(Ⅰ)(Ⅱ)」によって整備されたナカラ港が10月7日に完工したと発表した。
<ナカラ港全景(写真提供:五洋建設・東亜建設工業 共同企業体)>
ナカラ港は、マラウイ、ザンビアの内陸国に続くナカラ回廊の玄関口であり、アフリカ南東部随一の天然の良港。また地政学的にも域内貿易の基幹港としてその重要性が認識されており、近年、日本も投資促進等の観点から官民をあげて協力をしてきた。
同港は1970年代に施設が整備されて以来、十分な改修が行われておらず、さらに一部の施設はハリケーンの影響を受け、老朽化・損傷が進んでいる状況だった。そのため、JICAは2012年に無償資金協力「ナカラ港緊急改修計画」を実施し、2013年にさらなる貨物の増加、物流の改善に対応できるよう「ナカラ港開発事業」フェーズ1、2015年にフェーズ2の円借款契約を締結、建設を進めてきたもの。
この事業によりナカラ港の利便性が高まることで、地域の物流を改善し、ナカラ回廊の活性化、ひいては周辺国を含めた地域の経済の発展が期待されている。
■ナカラ港開発事業(1)
国名:モザンビーク
事業:有償資金協力
課題:運輸交通
借款契約(L/A)調印:2013年3月~
借款契約額:78.89億円
■ナカラ港開発事業(2)
国名:モザンビーク
事業:有償資金協力
課題:運輸交通
借款契約(L/A)調印:2015年6月~
借款契約額:292.35億円