水素エンジン開発等を手がけるiLaboは11月6日、水素エンジンを搭載した中型トラック(総重量8トン以下)による、実貨物を搭載した物流業務を行う実証走行試験の開始に向け、出発式典を同月1日に東京都内で行ったと発表した。
<出発式の様子 右から2番目がiLabo 太田修裕 代表取締役>
i Laboは、半世紀にわたる水素エンジン研究の実積を持ち、部品交換、制御変更等による既存のディーゼルエンジン搭載トラックを、水素を燃料として運転可能なトラックに置換する「水素化コンバージョン」を普及促進している。
実証走行試験では、羽田空港から東京ディズニーランド周辺ホテルの固定ルートのピストン輸送を、インバウンドを中心とした旅行者のスーツケースなどの運送業務に水素エンジン搭載トラックを使用する。実証期間は3か月で、一般道並びに高速道路での走行、隣接水素ステーションでの水素充填作業、実貨物の集荷・配達を行う。これにより、出力、燃費、安全性、耐久性、ドライバビリティーなどを検証し、水素エンジン搭載トラックの普及による産業領域での脱炭素化の早期実現に向けた取組を進めていくとしている。
なお、同事業は既存ディーゼルエンジン重量車を水素エンジン車に改造し、その実用性と環境性・経済性の評価を行うことを目的とした、環境省の「水素内燃機関活用による重量車等脱炭素化実証事業」に採択されている。