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プロロジス/岩手県紫波郡に10万m2のマルチ型物流施設竣工

2023年11月28日/物流施設

プロロジスは11月28日、岩手県紫波郡矢巾町で、マルチテナント型物流施設「プロロジスパーク盛岡」を竣工したと発表した。

<「プロロジスパーク盛岡」>
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竣工式には、入居予定企業である日本通運盛岡支店 神 浩幸支店長をはじめ関係者、矢巾町 髙橋 昌造 町長をはじめとした関係者、設計・施工を担当する西松建設 髙瀨 伸利 社長をはじめ関係者、プロロジスからは山田 御酒 会長 兼CEOらが参列し、施設の完成を祝った。

プロロジスは、東北エリアで宮城県仙台市などに賃貸用物流施設を展開しており、岩手県内での開発は初めて。延床面積は約10万m2と、東北エリアの物流不動産市場において最大規模の物流施設である。すでに、賃貸面積の約20%において日本通運の入居が決定しているほか、日用雑貨、食品を中心とする複数の企業から引き合いを受けている。

「プロロジスパーク盛岡」は、東北エリアの物流動脈である東北縦貫自動車「盛岡南IC」から約4.7km(約8分)、県道13号からも約1.5kmと至近に位置する。3時間以内に南は仙台、北は本州最北まで到達可能で、青森・秋田・岩手の東北三県をはじめ東北地方広域への配送に最適な立地である。

<現状と「プロロジスパーク盛岡」利用時との比較>
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プロロジスはこれまで、東北エリアにおいては仙台マーケットを中心に物流施設を提供してきた。しかし、災害への備えや、トラックドライバーの時間外労働への上限規制が厳格化する「2024年問題」への対応として、東北エリアにおいても拠点分散化ニーズが増加している。現在、東北の物流ハブとなっている仙台エリアに加え、今後は北東北への中間在庫拠点として開発地周辺への立地ニーズが伸長するとみて進出した。

北東北エリアには大型物流施設が少なく、なかでも各階アクセスにより平面使いができる最新鋭の物流施設は岩手県内で初めてとなる。同県内では賃貸用物流施設の空きは希少で、北上エリアや花巻エリアからの増床ニーズも見られる。入居予定企業の日本通運は、北東北の拠点戦略の見直しから入居を決定した。

「プロロジスパーク盛岡」は、約7万4000m2の敷地に地上3階建て、延床面積約10万m2のマルチテナント型物流施設として開発された。上り下り専用のスロープを設け、各階のトラックバースに45フィートコンテナセミトレーラーがアクセス可能な仕様だ。ワンフロアでの最大の賃貸面積は約1万9000m2、最小面積は約5000m2からで、最大12企業が入居できる。1階は、低床式で床荷重は2t/m2と重量物にも対応する。2階は、中央車路を挟んで西側の区画は4面にバースを有し、東側の区画は片面バースとなる。3階は、中央車路を挟んだ東西2区画に専用バースを備える。

<地形を利用した構造>
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<安全な導線と機動性の高い荷捌き>
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施設は、地形を利用した高低2段構造になっており、高低差を利用し、1階へも2階へも道路レベルから直接乗り入れられる。スロープを利用し、3階へも直接アクセス可能だ。敷地内は全て一方通行とし、各階の出入り口を中央車路で繋げる構造を取っているため、安全で機動性の高い通行と荷捌きができる。

寒冷地・積雪対策として、施設内の傾斜部分にロードヒーティングを敷設。雨どいにはヒーターを設置、複数台のホイールローダーを敷地内に整備――するなどの体制を整えている。

環境負荷低減への取り組みには、施設屋根面に5.3メガワットの太陽光発電設備の設置を計画している。倉庫内には通常のLED照明比で電力使用量を半減できる高天井用センサー付きインテリジェントLED照明(プロロジス共同開発)を設置し、施設内及び入居企業のESG推進に寄与する。これらの取り組みにより、CASBEE(建築環境総合性能評価システム) Aランク、BELS(建築物省エネルギー性能表示制度)の最高位5スターを取得予定であるとともに、ネット・ゼロ・エネルギー・ビル(ZEB)認証を取得予定である。今後、電気自動車用の充電設備も備える予定だ。

<カフェテリアの様子>
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施設の館内人口は500人程度を想定している。施設内で働く人々が快適に過ごせるよう、カフェテリアには24時間営業の無人コンビニエンスストアや無料Wi-Fiを設けている。元々植わっていた敷地内の樹木は、カフェテリアの内装材やエントランス庇の軒裏天井に再利用している。ほかにも、「異彩を、放て。」をミッションに、主に知的障害のある作家と契約を結び、アートのライセンスビジネスをはじめとした多様な事業を手掛ける福祉実験カンパニー「ヘラルボニー」(盛岡市)の理念に共鳴し、契約作家 八重樫季良の作品を、施設空間を彩るアートとして採用した。

外構部分についても、歩道部の「インターロッキング」の素材に再生プラスチックを採用。 再生プラスチックは、他にもトラックバースのカーストッパーの一部にも使用しており、脱炭素社会の実現に貢献する。

防災、BCP(事業継続計画)の一環として、緊急地震速報システムや災害用無線機「ハザードトーク」の導入に加え、停電時でも共用部の電力を72時間程度維持する非常用発電機を備え、停電時に利用可能な組み立て型簡易トイレを設けている。

ほかにも、普段はベンチとして使い災害時はかまどとしても利用できる「かまどベンチ」を設置。また、常時有人警備を実施し、24時間365日、入居企業の事業継続をサポートできる。

■概要
名称:プロロジスパーク盛岡
所在地:岩手県紫波郡矢巾町大字広宮沢
敷地面積:7万3713.12m2(2万2298.22坪)
延床面積:9万9604.61m2(3万130.39坪)
構造:地上3階建て、鉄骨造
着工:2022年3月
竣工:2023年11月

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