NEXT DELIVERYは12月15日、茨城県境町で国交省が新設したドローン飛行レベル3.5での配送を同月13日に実施したと発表した。
同社によるレベル3.5でのドローン配送は、北海道上士幌町(12月11日実施)に続いて2か所目。
ドローンの運航管理は、山梨県小菅村にいる同社のリモートパイロットが遠隔で実施。片道4.5kmを11分で飛行し、境町名産の干し芋やドリンクの入った箱を配送してデポへ戻った。
同社は、2022年度から境町でドローンの定期飛行を進めてきたが、境町のデポからすぐの地点に国道354号があり、これまでのレベル3では道路を横断する際に移動車両の上空を飛行できない規制があったため、ドローンを一時停止せざるを得ない状況が相次ぎ、配送時間にズレが生じていた。
今回のレベル3.5による飛行では、必要資格を持ったパイロットによる運航であるという条件を満たしており、安全を確認したうえで、一時停止することなくスムーズにドローンを運航し、配送を実施した。今まで飛行レベル4でしか実現できなかった「移動車両上空を横断したドローンによる配送」を実施したのは、今回が日本初となる。
レベル3.5の新設については、11月17日に開催された「規制改革推進会議」の第1回スタートアップ・投資ワーキング・グループの部で、国土交通省がドローンに関する規制緩和と今後の方針の説明内で触れられたもので、年内に実施開始予定と発表されていた。
レベル3.5では、デジタル技術の活用(機上のカメラによる歩行者等の有無の確認)によって、レベル3で必要だった補助者や看板の配置といった立入管理措置が撤廃される。また、無人航空機の操縦ライセンスの保有と保険への加入により、道路や鉄道等を横断する際の一時停止が不要になる。これらにより、ドローンの運用コスト削減と業務の効率化が可能になり、ドローン配送の事業化への障壁を下げる効果が期待されている。
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