グリッドは1月22日、鉄道・海上・陸上輸送を一元管理し、マルチモーダル輸送として物流効率化を実現するシステム「ReNom multiModal(リノーム・マルチモーダル)」の開発を開始したと発表した。
同社は2009年に設立したAIスタートアップ。社会インフラ分野を中心に、デジタルツインとAIアルゴリズムの融合による最適化技術を駆使したアプリケーション開発を行っている。
新システム「ReNom multiModal」は、2024年問題やCO2削減など社会課題にテクノロジーの力で対応し、物流効率化を目指すもの。全輸送手段を活用する「マルチモーダル」において、これまで人手で行われていた輸送計画を、デジタルツインシュミレーターとAI技術を用いて最適化する。
これにより、ユーザーは年間の輸送リソース計画を設計できるほか、各輸送手段の利用割合をシュミレーションすることで、中長期的な物流コストも算定できる。品質や人件費、納期など、各指標によるシュミレーションや、共同配送についてもシュミレーションできる。
成果についても可視化し有効性を検証することで、さらにシュミレーションの精度を向上させることができ、今後、災害などが起きた場合の代替ルートの確保などの機能も拡充していく計画。
グリッドはこれまで、内航船・外航船、トラック、鉄道の分野で同社の技術を使ったシステムを開発し、大手鉄道会社や物流事業者に導入されるなど実績を積み重ねている。
こうしたノウハウをもとに、「ReNom multiModal」においても、既にデータ検証において効果的な運用ができることを確認しており、2024年度内を目途に、荷主企業との協業を通じて実運用を目指す。同社の照井一由 取締役/AI事業本部長は「最適化AIは2024年を機に広がるとみている。販売目標は3年間で約10億円」としている。