大王製紙と北越コーポレーションは2月13日、戦略的業務提携に向けた具体的な検討を開始することに同日付で合意したと発表した。
国内紙の需要の減少や需要構造の変化、木材チップ・石炭・重油など原燃料価格の高止まり、国内物流の2024年問題や環境負荷低減への対応など、紙パルプ業界を取り巻く厳しい経営環境の下、業務提携によって両社が抱える競争力の強化や事業ポートフォリオの変革といった経営課題を解決し、企業価値のさらなる向上を図る。
業務提携の取り組みテーマとして、現時点では「生産技術」「原材料購買」「製品物流」の3つを設定。製品物流では、両社グループの物流網を活用した交錯物流の改善や、両社の生産拠点間のラウンド輸送、コンテナの有効活用によるモーダルシフト推進、物流倉庫の相互活用と共同配送を具体的な取り組み項目として挙げている。
両社は、既存の取引先との関係を尊重しつつ、今後、分科会を通じて各施策の実現可能性や効果について検討・検証を進めていくほか、中長期的には、新技術等の共同研究やエネルギー転換、DX推進、森林資源活用等のテーマについても検討を進めていくとしている。
両社は、これまでに関係改善に向けたトップマネジメント間の面談を含めて意見交換を重ね、2023年9月に両社間で秘密保持契約を締結し、「生産技術」「原材料購買」「製品物流」などの取組テーマで分科会レベルでの初期的検討・協議を重ねてきた。今後は、2024年5月頃を目途に業務提携の契約締結を目指し、両社間で協議を進める。
両社の業務提携については、各々の課題解決に向けた取り組みを個社単位で取り組むよりも、両社が協業して構造改革・収益基盤の強化を目指していくことが、より迅速に効果を発現できるとの考えから合意に至ったもの。
なお、業務提携では、両社の独立性と健全な競争関係は維持しつつ、各々の強みを生かして補完し合うなど、両社の中長期的な企業価値向上に資する取組みについて積極的に検討を進めていくとしている。