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雇用動向/2024年問題で正規・非正規採用共、運輸・倉庫が最多

2024年03月22日/調査・統計

帝国データバンクは3月21日、2024年度の雇用動向(採用)に関する企業の意識調査を発表した。

<正社員『採用予定がある』割合 ~規模、業界別~>
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それによると、2024年度(2024年4月~2025年3月入社)の正社員の採用状況について尋ねたところ、『採用予定がある』(「増加する」「変わらない」「減少する」の合計)と考えている企業は前回調査(2023年2月実施)から1.5ポイント減の61.5%となった。3年連続で6割を超えたものの、3年ぶりに前年を下回った。また、採用予定がある企業の内訳は、採用人数が「増加する」企業が同 2.0ポイント減の23.7%だった一方、「減少する」企業は同1.5ポイント増の8.6%となり、雇用動向は前年度までの勢いがやや鈍化した。

業界別に正社員の『採用予定がある』割合をみると、「2024年問題」が懸念されている『運輸・倉庫』が 69.7%で最も高く、同様に人手不足が深刻化している『建設』のほか、『サービス』(ともに66.6%)も7割近くで続いた。『採用予定がある』企業からは、「運転職の平均年齢が上昇しているため、定員確保に苦慮している新卒・中途ともに、女性ドライバーの雇用や定年退職者の継続雇用に力を注いでいる」(運輸・倉庫)の声も。

<非正規社員『採用予定がある』割合 ~規模、業界別~>
20240322tdb2 - 雇用動向/2024年問題で正規・非正規採用共、運輸・倉庫が最多

一方非正規社員についても、業界別では、『運輸・倉庫』が 54.7%で最も高く、『サービス』(54.0%)、『金融』(52.6%)なども5割台で続いた。

将来的な労働力不足に対して多様な人材の活躍が期待されるなか、今後の「外国人」「高齢者」「女性」「障害者」の雇用および採用状況について尋ねたところ、いずれかの人材について『採用予定がある』企業は78.4%だった。なかでも、「採用を拡大」する予定の企業は37.7%と、4割近くの企業で多様な人材の採用を強化する動きがみられる結果となった。

なお、帝国データバンクが実施した調査では、2024年2月における人手不足企業の割合は「正社員」が18か月連続で5割、非正社員は3割と、いずれも高水準で推移している。物価の上昇と人手不足の状況がさらに長期化すれば、企業は厳しい判断を迫られることになろう、としている。

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