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NX総研/2024年度の国内貨物輸送量0.6%減と予測

2024年04月18日/調査・統計

NX総合研究所は4月18日、「2024年度の経済と貨物輸送の見通し(改訂)」を発表した。

<荷動きの実績(見込み)と見通しの『荷動き指数』(速報値)>
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それによると、2024年度の国内貨物輸送の総輸送量は0.6%減と、微減ながら3年連続の減少を見込んでいる。

品類別では、「消費関連貨物」が、消費者物価の上昇が続く中で個人消費の伸び悩みが予測され、0.2%増と微増にとどまる見通し。日用品、食料工業品、農水産品等はやや低調な荷動きと予測している。

「生産関連貨物」は、個人消費の足踏みや内外経済の先行き不透明感、原材料・燃料価格の高止まり等から、上期は低調な荷動が避けられないとした。一方、鉱工業生産の持ち直しなどを受けて、下期は一般機械などを中心にプラスへ転じ、通期では0.3%の小幅増を見込んでいる。

「建設関連貨物」は、公共投資の増加が予測されるものの、大規模土木工事の執行が期待できないほか、金利上昇で新設住宅着工戸数が減少する中、輸送量をプラスにまで押し上げるには至らず、建設業界の人手不足も懸念材料となり、1.7%減と予測した。

輸送機関別では、「JR」のうちコンテナは2024年度を通してプラス基調で推移し、物流の2024年問題の後押しもあって、通期では1.6%増と5年ぶりの増加に転じると予測した。また、車扱は天候に大きく左右される可能性もあるとしたうえで、ウェイトが大きい石油の減少により、2.8%減と予測。JR全体では0.2%増と小幅ながらプラスへ転じるとしている。

「営業用自動車」は、消費関連貨物と生産関連貨物がプラスに転じる一方、建設関連貨物の不振が下押し要因となり、トータルでは0.6%増と小幅な増加にとどまると予測した。物流の2020年問題に伴う重量ベースでの下押し効果は限定的なものになると見込んでいる。

国際貨物輸送については、2024年度の輸送量は、「外貿コンテナ貨物」による輸出が自動車関連の増勢持続や生産拠点の国内回帰の進展、欧米の過剰在庫解消により2.0%増と2年連続の増加を見込んでいる。

輸入は、消費財が個人消費が伸びを欠き小幅な伸びにとどまるも、生産拠点の国内回帰や調達先分散の進展で生産財の調達が増加。前年度大幅減の反動増による押上げも見込まれ、全体では1.6%増と3年ぶりのプラスに転じるとしている。

「国際航空貨物」は、全路線で前年を上回り、輸出が4.6%増と3年ぶりにプラスに転換すると予測。コロナ前の2019年度との比較では4%強下回るものの、半導体市況や需給の早期回復、欧米線での航空シフト・特需の再発により上振れの可能性もあるとしている。

輸入は2.2%増と予測。個人消費の鈍化で消費財が小幅な伸びにとどまり、EC・通販関連も大幅増の期待は薄いとしたが、生産財については生産拠点の国内回帰や調達先の分散、対日投資・拠点整備が進み、生産用機器や部品・部材類の増勢が拡大するとした。

JIT転換・安全在庫確保や、新型コロナワクチン等の医療関連の反動減の緩和、前年度大幅減の反動増も増加に寄与するとしている。

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