日本製紙連合会、全国段ボール工業組合連合会は、製紙業界と段ボール業界における物流2024年問題に対処すべく、RFIDを活用した配送情報ポータルシステム（DIPs（Delivery Information Portal System））を構築した。
＜DIPsフロー図＞
DIPｓを活用することで、製紙会社が段ボール会社に段ボール原紙を納品する際に行われる検収作業が効率化されることになり、荷卸し全体に掛かる時間を短縮することを実現させ、「物流の2024年問題」の解消に貢献する。
DIPs は、製紙業界で標準 EDI（電子データ交換）を展開するカミネットがサービス提供（開発はJSOLが担当）を行う。DIPs と標準EDIを連携させるとともに、RFID（非接触でのICタグデータ自動認識技術）を導入することで、作業の省力化を図ることを実現した。また DIPs はバーコードの読取も可能としており、段ボール原紙のラベルがRFIDに未対応の場合の運用も可能としている。
具体的には、段ボール会社が登録した注文明細と、EDIを通じて登録された製紙会社の出荷明細情報をDIPs で紐づけ、読み取ったRFIDの情報とこの紐づけ情報を連携させる。これにより、これまでトラックドライバーが注文明細情報と出荷明細情報を照合するために行っていた、現品への情報記載やラベルの貼付作業が不要となるほか、伝票の照合作業はRFIDリーダーで読み取るだけとなるため、検収作業の時間が大幅に削減される。こうした作業の効率化に伴い、トラックの待機時間が短縮され、また受入時に使用したRFIDは段ボール会社の現品管理で活用することも可能となる。
今後、製紙連、全段連では、製紙会社および段ボール会社でのDIPｓ導入企業の拡大を目指すことで、製紙業界、段ボール業界での物流の効率化をより一層図り、物流の2024年問題への対処に取り組んでいくとしている。
