鈴与シンワートは9月25日、鈴与シンワ物流の運行管理システムのリプレイスについてコンサルティングサービスを提供しているとし、そのリアルタイム導入事例を発表しているが、「『AI・IoT等を活用した更なる輸送効率化推進事業費補助金』申請編」を発表した。
それによると、補助金の重要度については、実運送の部門は昨今の原油価格高騰と円安の影響で軽油の値上が続き、営業利益が逼迫していたため、交付金額400万を超えるパシフィックコンサルタンツ(PCKK)の補助金はかなり大きな事業インパクトとなるとしている。
申請した補助金制度は経産省と国交省の連携事業を民間のPCKKに委託し、実施されているもの。まず、公募で改善計画を募り、その中から審査で改善計画値が大きいものが選定される。さらにシステム導入前後の数値比較を行い、改善成果報告(目標値以上の報告が必須)が完了した後に、補助金が交付される。
非常にハードルが高い分、交付金額も車載器本体30台分と工賃の50%相当と多額であるため、非常に重要視。万一、審査に通らなかった場合は、改善実施計画を練り直し、リプレイスを次年度に延期することも検討していた。
補助金を申請するまでに苦労したことでは、主力であるバルク車が、片荷運行が多く、実車率が50%強のなかで改善できるポイントが少ない点や、参考にした昨年度のベストプラクティス集の事例と、同社の運行条件とは大きく異なるため、実施計画案の策定には相当苦労した。
想定していなかった出来事や効果については、実施計画を立案する際、現行の配送プロセスを細かく書き出した業務フローを何度も見直すことで、無駄や削減できる箇所がないか、幅広く問題意識を持つことができた。また、改善ポイントの深堀によって、新たな知見が広がり、今後、別件で業務改善や、新たな施策を講じる際には、着想のヒントに繋がると思う、としている。
期待していることでは、ドライバー不足への対策、勤怠管理の可視化、別システムとの互換連携を挙げている。
なお、システムリプレイスによる輸送効率化は、CO2削減だけに留まらず、実車率の向上を主軸に、生産性向上と運行コストの削減を実現し、収益改善効果が期待できる。
また、車載のIoTデバイスが動態管理システムと連携し、渋滞回避や荒天時の経路誘導を行うほか、不測の事態が発生した際には、5台の車載カメラによる直前の映像記録などから、乗務員や車両の状況を瞬時に把握し、迅速かつ適切な対応をとることが可能で、安全面に特に配慮している。
一昨年から物流DX化を進め、2024年問題の対策を講じてきた。システムリプレイスによる輸送効率化は、特に収益改善効果によって、運転者不足への対策を行っていく上では、必要不可欠と考えている。
■リアルタイム導入事例
https://logistics.shinwart.co.jp/case/itconsul/ssb_3/