アライプロバンスは10月23日、東京都江戸川区に新設した大型マルチテナント型物流施設「アライプロバンス葛西A棟」の竣工式を行った。
物流施設としては都内最大級の「アライプロバンス葛西A棟」は、前身となる「新井製鉄所」時代に工場だった土地を転用して建設された。「アライプロバンス浦安」に続く2件目となる。
竣工式には建設会社や事業の協力者のほか、元国土交通副大臣や自治体の代表なども参列した。
新井太郎社長は挨拶の中で、前身となる新井鉄工所から現在のアライプロバンスに転身する経緯を紹介。時代の変化に伴い、鉄工所としての事業をたたまざるを得ない状況になった際、「100年以上続いた経営の火を絶やすことがあってはならない」と奮起、業態変換を決意した。残された資源である浦安と葛西の跡地をどう生かすか検討する中、2016年に叫ばれた「物流クライシス」を耳にして、物流倉庫への転換に踏み切ったという。
立地を最大の魅力としつつ、アライプロバンスならではの遊び心として、展望ラウンジや屋上テラスといった、従業員への高いホスピタリティについても言及。昨今の人材不足に対して、環境を整えるという手を打った形だ。
土地区画整理事業をもとに開発した点にも触れ、都の施行で3年後に旧江戸川に築かれる「スーパー堤防」と緑道を繋げることで新たな回遊性を作り、地域社会への貢献にも一役買うことを確信していると述べた。
事業の35%程度が物流施設の建設となっている西松建設の細川雅一社長は、コンクリート床の高い品質についてコメント。長年物流施設に携わってきたノウハウをフルに活かし、非常にきれいな仕上がりになったことをアピールした。
CBREの梶浦久尚プロジェクトマネジメントエグゼブティブディレクターも、床や壁面の仕上がりを「素晴らしい」と述べており、物流施設において重要な点が大きく評価された形だ。
細川雅一社長は続けて、社会的課題である2024年問題への解答として、都市に近い大型物流施設の建設プロジェクトに参画できたことにも触れ、アライプロバンス浦安に引き続いて案件を担当できたことへの謝辞を述べた。
江戸川区出身の大西英男元国土交通副大臣は、「長年尊敬してやまない新井社長率いる、アライプロバンスの新倉庫誕生に何があっても駆けつけねば」と述べ、新井社長の先見性と物流の重要性を説いた。
経済の基盤に物流が肝要であることを前提として、その物流へ大きな投資が、30年遅れているといわれる日本の経済を大きくリードしてくれると言及。アライプロバンスの発展が、東京経済、日本経済の大きな躍進のもとになる、とエールを送った。
新井嘉喜雄会長は竣工式パーティーにて、今回の竣工へのお礼について述べ、「60年前にこの地に訪れ、その後に次々と新井鉄工所の工場が次々と立てられた。そして今、その工場跡地に最新鋭の物流倉庫が竣工した」と時代の変遷に触れつつ、式の締めとした。
■施設概要
所在地:東京都江戸川区東葛西9-24-37
交通:首都高速湾岸線「葛西IC西行出口」「葛西IC東行出口」まで各約4.1km、首都高速湾岸線「浦安IC」約7km
東京メトロ東西線「葛西駅」 徒歩23分
JR京葉線「葛西臨海公園駅」まで約3.1km
敷地面積:3万5039.63m2
延床面積:8万7122.30m2
規模・構造:地上5階建、鉄骨造、耐火構造
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