NSユナイテッド海運が10月31日に発表した2025年3月期第2四半期決算によると、売上高1287億2300万円(前年同期比14.6%増)、営業利益117億600万円(4.0%減)、経常利益101億500万円(26.9%減)、親会社に帰属する四半期純利益91億5300万円(16.7%減)となった。
外航海運事業のドライバルクは、中国経済に不透明感が見られた一方、世界全体では鉄鋼原料を中心に概ね堅調な荷動きとなった。ケープ型撒積船(18万重量トン型)については、中国では不動産不況を背景に鉄鋼生産に一時落ち込みが見られたものの、鉄鉱石については底堅い輸送需要を維持した。アフリカ積みボーキサイトの出荷が好調だったことなども受け、市況は期中を通じて堅調な推移となった。
パナマックス型以下の中小型撒積船(2~8万重量トン型)は、中東情勢を背景とするスエズ運河の通航リスクが期中を通じて継続したことが船腹需給を引き締めた一方で、渇水により通航制限が長期化していたパナマ運河の滞船が期中後半にかけて改善し、市況の下押し要因となった。VLGC(大型LPG運搬船)は、LPGの輸送需要は堅調に推移したものの、パナマ運河の通航制限緩和の影響を受け、市況は期中後半にかけて下落基調となった。
このような状況下、期中に進行した円安が収益を押し上げた一方、マーケットから手配した船舶の借船料や入渠費・修繕費といった外貨建て費用負担の増加もあり、前年同期比で増収減益となった。
内航海運事業のうち、ドライバルクは、鉄鋼関連の貨物は、自動車分野で緩やかな生産量の回復が一時見られたものの、建設業等の輸送需要減少を受けて、鋼材・鉄鋼原料ともに輸送量は前年同期を下回った。セメント関連貨物は、台風等の天候不順の影響を受け輸送量は前年同期を下回った。電力関連貨物は、夏季の電力需要増を背景に輸送量は前年同期を上回った。タンカーは、LNG輸送量は需要減退の影響により減少した一方、LPG輸送は前年同期比で輸送量が増加した。
このような状況下、内航海運事業の業績は前年同期比で増収増益となった。
通期は、売上高2340億円(0.4%増)、営業利益211億円(2.3%減)、経常利益193億円(13.0%減)、親会社に帰属する当期純利益180億円(0.1%増)を見込んでいる。
商船三井 決算/4~9月の売上高14.0%増、営業利益は80.9%増