NSユナイテッド海運が1月31日に発表した2025年3月期第3四半期決算によると、売上高1893億9100万円(前年同期比9.8%増)、営業利益168億6200万円(2.1%減)、経常利益169億3300万円(3.1%減)、親会社に帰属する四半期純利益145億8200万円(3.2%増)となった。
外航海運事業のドライバルクについては、世界全体の海上荷動きが概ね堅調だったものの、第3四半期にかけては中国経済の不透明感等が市況の下押し要因となった。
ケープ型撒積船(18万重量トン型)市況は、鉄鉱石やボーキサイトの好調な出荷を受けて概ね堅調に推移していたが、第3四半期に入ると、中国で長引く不動産不況を背景に鉄鋼生産の落ち込みが懸念されたことなどを受けて下落した。
パナマックス型以下の中小型撒積船(2~8万重量トン型)は、南米・北米からの穀物の出荷が弱含んだことに加え、渇水によるパナマ運河の通航制限が緩和されたことが、期中後半の市況の押し下げ要因となった。VLGC(大型LPG運搬船)についても、LPGの輸送需要は比較的安定して推移したものの、期中後半はパナマ運河の滞船解消による船腹需給の緩和が市況の上値を抑える展開となった。
このような状況下、期中に進行した円安が収益を押し上げた一方、マーケットから手配した船舶の借船料や入渠費・修繕費といった外貨建て費用負担の増加もあり、前年同期比で増収減益となった。
内航海運事業のドライバルクは、鉄鋼関連貨物が、自動車セクターでは輸送需要の一時的な回復が見られた一方、建設・製造業については需要に弱さが見られた。
セメント関連貨物は内需の落ち込みや建設現場の人手不足の影響を受け、また電力関連貨物は石炭火力発電所の稼働低下により、前年同期を下回った。タンカーは、LNG輸送は需要減により輸送量が減少したものの、LPGについては輸送量が増加した。
このような状況下ではあったが、効率運航に努めた結果、内航海運事業の業績は前年同期比で増収増益となった。
なお、売上高に占める外航海運事業の割合は約9割、内航海運事業の割合は約1割となっている。
通期は、売上高2440億円(4.7%増)、営業利益205億円(5.1%減)、経常利益193億円(13.0%減)、親会社に帰属する当期純利益180億円(0.1%増)を見込んでいる。
NSユナイテッド 決算/4~9月の売上高14.6%増、営業利益4.0%減