P&Gジャパンは4月1日、群馬県藤岡市に約5万2000パレットの保管能力を有する自動倉庫「高崎サプライ倉庫」を新設し、本格的稼働する。
これまで衣料用洗剤をはじめファブリック&ホームケア製品等、国内で消費されるほぼ全ての製品を高崎工場(群馬県高崎市)で生産し、複数の倉庫で保管していたが、新たな高崎サプライ倉庫の稼働により、分散していた倉庫を集約する。
同社によると5万2000パレットの保管能力は、日本最大級の規模で、物流ネットワークを最適化し、2024年問題など労働力不足にも対応する。
新倉庫では、高崎工場で生産された製品を保管する倉庫のオペレーションにおいて自動化を進め、タッチレスなサプライチェーンを構築する。
入荷業務における特徴の1つが、工場からトラックで運ばれてきた製品を自動で入荷することができる「自動トラック荷役システム(ATLS)」の導入だ。
<左から、自動トラック荷役システム(ATLS)/有軌道無人搬送車(RGV)>
これにより入荷から出荷準備までの全てのプロセスを自動化し、従来、30分ほどかかっていた入荷作業を約3分に短縮。倉庫業務を大幅に効率化し、省人化を実現している。
ATLSを介して入荷した製品は、有軌道無人搬送車(RGV)により指定された倉庫内のラックに運ばれ、自動で保管し、出荷時もRGVを介してトラック搬入口まで運ばれるため、人の手を介さずに入荷から出荷準備までを完了することができる。
さらに自動ゲートを導入し、事前に予約システムに登録した車両番号をゲートで照合することで、ドライバーが受付作業のためトラックを乗り降りすることなく、スムーズに入退場できるようになっている。
<左から、自動ゲートシステム/効率化された荷積み作業の様子>
トラック予約システムと倉庫制御システムを連動させることで、トラックが自動ゲートに到着すると、出荷予定の製品パレットのピッキング(荷出し)が開始され、搬入口まで自動で運べるようになった。この結果、トラックドライバーが搬入口に到着後すぐに作業ができ、スムーズな荷積みが可能となる。
こうした自動化の推進により、倉庫業務の省人化を実現。フォークリフトドライバーなど、特に深刻な倉庫内の労働力不足に対応しながら、安定的な製品管理・出荷を実現している。
同施設は主要高速道路にアクセスのよい立地で、輸送効率化によりトラックの走行距離を年間で約200万㎞削減でき、CO2の排出量削減にも貢献する。今後、再生可能エネルギーの活用などを積極的に行い、環境に配慮した倉庫運営を目指していく考えだ。
■施設概要
所在地:群馬県藤岡市本動堂538-5
建築面積:1万6818m2
保管能力:5万2000パレット
入出荷能力:30万ケース/日
稼働開始日:2025年4月1日