プロロジスは4月8日、千葉県八千代市で、マルチテナント型物流施設「プロロジスパーク八千代2」を竣工した。既にEC物流サービスのSTOCKCREWと賃貸契約を締結。引き続き入居企業を募集している。
「プロロジスパーク八千代2」は、大成建設による宅地開発事業地「八千代もえぎ野」に新たに造成された「もえぎ野複合業務地区」に位置している。
首都圏物流の大動脈である国道16号から約2kmと至近に位置し、東京都市圏の消費地および関東広域への配送にも最適な立地。自動車20分圏内には約20万人が暮らす住宅エリアが広がっており、雇用確保にも適している。今後、隣接する「プロロジスパーク八千代1」で既に運行中のバスの増便なども検討する。
「プロロジスパーク八千代2」は、約4万7500m2の敷地に地上6階建て、延床面積約11万m2のマルチテント型物流施設として開発。「プロロジスパーク八千代1」と同様、良好な地盤に立地し、液状化や浸水リスクの低いエリアにあるが、さらに免震構造を採用した。
<STOCKCREWの「プロロジスパーク八千代1」での倉庫オペレーション>
マテハン機器など、大規模な機械の導入がしやすい設計とした点も施設の特長。「プロロジスパーク八千代1」「プロロジスパーク八千代2」ともに、「ロボフレンドリー」な設計を採用した。AMR(自律走行搬送ロボット)や無人フォークリフトといった先進機器の導入・運用を前提とした空間設計にしている。
<ハクオウロボティクスの自動フォークとエレベーターの連携デモンストレーション>
また、Octa Roboticsのロボット・建物設備間連携インターフェースサービス「LCI」を導入し、フロア間の自動搬送を実現した。1~5階のノンブレース構造は大型マテハンや自動倉庫などのレイアウトの自由度を高め、ロボットによるシームレスなオペレーションを支える。さらに、特別高圧電力受電により、冷凍冷蔵設備や館内空調といった高負荷機器の稼働にも対応。多様な業態へのロボティクス運用や自動化もサポートする。
さらに、災害時の物流オペレーション中断リスクを最小限に抑える体制も整備した。断水時には地下水浄化システムによりトイレ用水を確保し、停電時には共用部の電力を約72時間維持可能な非常用発電機を備えるなど、事業継続を支える機能を強化している。
「プロロジスパーク八千代1」では、2022年11月に八千代市と「災害時等における施設利用の協力に関する協定」を締結しており、今後は「プロロジスパーク八千代2」とも連携し、災害発生時に同市の要請に応じて災害復旧支援に取り組む。
竣工式でプロロジスの山田御酒 会長兼CEOは、雇用確保に有利な立地や災害に強い地盤などを特長として挙げ、さらに「ここは最新鋭の物流施設。最終的には全自動の倉庫を目指し、自動フォークなどロボットとの連携をどんどんここでトライしていきたい」とアピールした。
また入居第1号の来賓として、STOCKCREWの中村慶彦 社長は「地下の免震設備など視察し、これだけ多くの技術に支えられている施設なのかと感銘を受けた。EC物流は小ロット多品種、しかも人手は足りない。いかに高度化するか、ロボットを使った運用を『プロロジスパーク八千代2』でもやりたい」と意気込みを述べた。
STOCKCREWは「プロロジスパーク八千代1」に入居し約1万1240m2(3400坪)の区画で稼働しているが、近年のEC拡大で手狭となり、今回「プロロジスパーク八千代2」の4階約1万4876m2(4500坪)も借りて拡大した。
■施設概要
名称:プロロジスパーク八千代2
所在地:千葉県八千代市保品字蕨谷1803-7
敷地面積:約4万7500m2(約1万4300坪)
延床面積:約11万m2(約3万3400坪)
構造:地上6階建、(柱RC造、梁S造)、免震構造
着工:2023年9月
竣工:2025年4月
プロロジス/東京都墨田区押上で浴場改装しインキュベーション施設開設