アスクルは5月23日、東日本の基幹センターとなる「ASKUL関東DC(ディストリビューションセンター)」(埼玉県上尾市)の開所式を行った。
関東DCは5階建て、延床面積10万4951.51m2。日本GLPの大規模施設を1棟利用したもので、6月から稼働する。アスクルのDCとしては全国で11拠点目、関西DCに次ぐ広さとなる。
所在地はJR上尾駅から徒歩15分の所にあり、圏央道、東北自動車道、首都高の3つの高速道路にアクセスも良く、関東エリアから東北エリアまでを網羅できる立地だ。
免震構造とし、空調整備としてスポットエアコンを導入するなど労働環境にも配慮。働くスタッフに昼食を無償で提供する。
関東DCは、事業所向けECの「ASKUL」と、一般消費者向けEC「LOHACO」双方の物流を担う。
特徴は、4・5階は出荷頻度の低い商品、3階は高・中頻度、2階は高頻度と、出荷頻度に応じて機能を選定し、それぞれ最新のAGVなどを導入したことだ。
4・5階には、ギークプラスのGTP(Goods To Person)ソリューション「PopPick」最新AGVを444台導入。ステーションは28台設置した。
ピッキングを担当する作業員のいる場所まで商品を運んでくるソリューションを入れたことで、入荷の効率改善、保管と出荷効率の向上を目指す。
2階は高頻度品のデジタルピッキングエリアで、トーヨーカネツの自動仕分けAGV「Table-sorting system」を160台導入した。
搬送コンベアの代わりにAGVが活躍。コンベアのような固定設備ではないため、今後、物量に応じて台数や面積を変化させられる機動力がある。
緑色の折りたたみコンテナは、使用済みクリアホルダー由来の再生材を一部配合したもので、今後増やしていくという。
入荷商品を保管場所まで搬送する工程を自動化するため、愛知機械テクノシステムの6輪台車搬送AGV「Carry Bee Dragon3」も12台導入する。
6輪台車の下面にAGVが潜り込み、台車前端をリフトアップし搬送。何往復もする作業負担を減らす。
開所式の挨拶で、アスクルの吉岡晃 社長は「当社の顧客の特徴は、一度に複数の商品を注文されること。大事なのは、どれだけ商品をまとめて個口を減らし、生産性を上げ、配送距離を減らす工夫をするかだが、東日本ではなかなか最適化できずにいた。東の大型拠点は我々の積年の願い」と思いを込めた。
「機械も働く人の環境整備も進んだのに、物流業界に対するイメージはいまだ『裏方』のまま変わっていない。開所を機に誇りを持てるセンターにし、子どもや若者が憧れる産業になるよう情報・価値発信していきたい」などと語った。
■施設概要
名称:ASKUL関東DC(ディストリビューションセンター)
所在地:埼玉県上尾市愛宕3-1-22
稼働開始:2025年6月(予定)
敷地面積:4万5922.36m2
延床面積:10万4951.51m2
建物階数:5階建・免震構造