西濃運輸は9月26日、大阪市に本部を置く認定NPO法人Homedoorとともに、住居喪失状態にある人の再建を支えるため、企業の空き寮を活用した包括的支援モデルを開始すると発表した。
単身者だけではなく、家族やカップルも対象に「住まい」と「仕事」を即座に確保し、その後も「つながり続ける伴走支援」を進める。
2024年度にHomedoorに相談があった1049人のうち593人が帰れる家がない状態だった。
家を失った状態から生活を立て直すことは「住居の初期費用」「仕事探し」 「生活費の確保」という3つの大きな負担が一気にのしかかり、居宅生活を始めるためには家具家電を揃えるなど多くの費用を必要とする。
仕事をしたくても、住所が喪失している状態では職を得ることすらできず、仮に日雇いの仕事をはじめても、インターネットカフェの利用や食事などその日の生活費がかさむため、十分に貯金をすることもできず再出発には長い時間を要する。
また、母子・父子といったファミリー世帯やカップル世帯にとっては、全員で入れる寮が大阪府内には少ない傾向にあり、すぐに入居できる場所を見つけるのは容易ではない。
支援モデルでは、西濃運輸の支社に併設されている社員寮の一室にHomedoorが必要な家財を搬入し、「住まい」と「仕事」を同時に確保できる体制を整える。
入居にあたっては敷金・礼金が不要で家具も備え付けられているため、初期費用なしで生活を始められる。
仕事はドライバー、事務、倉庫作業など幅広い職種があり、西濃運輸とHomedoorのスタッフが面談を行って、本人に無理のない就労開始をサポートする。
入社初期に生活費がない人は、セイノースタッフサービスでの派遣就労(倉庫作業)から始めることも可能。