帝国データバンク(TDB)が12月3日に発表した2025年11月の景気DIは前月比0.2ポイント増の44.1となり、2020年11月以来5年ぶりに6か月連続で改善した。
業界別では、「運輸・倉庫」「卸売」など4業界で改善した。
「運輸・倉庫」の景気DIは前月比1.3ポイント増の45.5。2か月連続で改善。「秋の旅行シーズンで、バス需要が多い」(一般貸切旅客自動車運送)というように観光バスは堅調に推移した。冷蔵、冷凍製品の需要拡大から倉庫関連が上向いた。加えて、自動車関連の回復やEC需要の増加などから一般貨物輸送も好調で景況感を押し上げた。他方、依然としてドライバー不足などは重荷となっている。
国内景気は、仕入単価の上昇が重しとなったものの、観光産業や半導体需要が好調で、改善傾向が続いた。今後の国内景気は、小幅な変動をともないながら、緩やかな改善基調が続く見通しである。
今後は、日中・米中関係の動向が注目される。賃上げや冬季賞与、物価高対策を含む総合経済対策の実施による家計の実質購買力の回復がカギとなろう。底堅い旅行需要や、半導体などAI関連の設備投資は景気を下支えする要因である。一方で、財政拡大にともなう長期金利の上昇や日銀の政策金利引き上げ、為替レートの変動、日中関係の不安定化、人手不足は懸念材料となる、としている。
<高市政権に関するコメント、ネガティブ・ポジティブ割合(就任2か月目)>

なお、高市政権に企業が寄せる今後の期待では、今後を不安視する声はあるものの、ネガティブな意見は1割を下回った。
最低賃金/昨年比増も余力低下、運輸・倉庫は先行き不安の現状露呈


