日通総合研究所は5月29日、日本マテリアルハンドリング協会主催の日本MH大賞で、ロジスティクスコンサルティング部の陳麗梅研究主査による「緩衝防振海上コンテナの開発と運用」が優秀賞を受賞したと発表した。
<コンテナに設置された緩衝バッファの上下伸縮で荷役時の衝撃を吸収する>
<空気バルーンがコンテナ内部の床を持ち上げ、輸送中の振動を吸収>
受賞の理由は、「わが国ではじめてコンテナ船で精密機械・装置を運べる海上コンテナを研究開発し、運用試験も行い実用化し、梱包コストの削減、環境にもやさしく、海上コンテナ輸送の技術力を海外に広く知らしめると同時に物流生産性の向上にも寄与できる」ことが評価された。
経緯は、精密機械が、コンテナの吊り下げ、積み下ろし荷役の際衝撃が非常に大きいため、これまでコンテナ船では運搬することができなかったことが発端。
精密機械を輸出するには、航空機を利用するか、RORO船を利用するしかなく、航空機を利用する場合はコストが高く、輸送スペースが限られるなどの問題があった。
また、RORO船を利用する場合は、航路が限定されるため、近距離しか輸送することができず、スケジュールも限られるため、輸出できる地域が限定されていた。
さらに、輸送時の衝撃を和らげるため、厳重な梱包が必要で梱包コストがかかっていた。
課題を解決するために、日通重機建設事業部と共同で、海上コンテナ自体に緩衝・防振機能を装備し、海上コンテナによる精密機器の輸送を可能にするという新たな発想により、「緩衝・防振海上コンテナ」を開発した。