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国交省調べ/18年度の倉庫業経営状況、86.4%が黒字

2008年03月25日/調査・統計

国土交通省は3月24日、倉庫業者324社を対象に平成18年度の経営状況を調査し、結果を公表した。
調査は普通倉庫業者147社、冷蔵倉庫業者124社、サイロ倉庫業者23社、鉄鋼専用倉庫業者18社、木材専用(水面)倉庫業者12社を対象に実施した。
この結果、普通倉庫業者147社のうち黒字決算は127社(86.4%)。平成10年度以降黒字決算事業者の比率は80%以上で推移している。
これら対象事業者の1社平均の事業別売上高構成をみると、全売上高80億4775万4000円のうち、普通倉庫業部門は15億244万2000円(18.7%)となっており、以下自動車運送事業部門18億1592万8000円(22.6%)、港湾運送事業部門12億7338万円(15.8%)、不動産賃貸事業部門7億4165万2000円(9.2%)、通運事業部門9367万9000円(1.2%)などで、自動車運送事業部門、港湾運送事業部門の割合が高くなっている。
冷蔵倉庫業者は124社のうち黒字決算が109社(87.9%)となり、平成14年度以降黒字決算事業者の比率は80%以上で推移。1社平均の事業別売上高構成をみると、全売上高73億8398万2000円のうち、冷蔵倉庫業部門は14億644万8000円(19.0%)となっており、以下、食品事業(食品加工・販売業)部門41億7395万6000円(56.5%)、不動産賃貸事業部門6381万8000円(0.9%)、凍結・製氷業部門6221万7000円(0.8%)などで、食品事業部門の割合が高くなっている。
サイロ倉庫業者23社のうち黒字決算は22社(95.7%)となり、全売上高111億4949万円に占めるサイロ倉庫業部門は5億2597万7000円(4.7%)。
鉄鋼専用倉庫業者については、対象事業者18社すべてが黒字決算。全売上高278億4831万9000円に占める鉄鋼倉庫業部門は9億5054万8000円(3.4%)となった。
木材専用倉庫業者は、対象事業者12社のうち黒字決算は9社(75.0%)で、全売上高5億2323万4000円に占める木材倉庫業部門は4794万4000円(9.2%)となった。
普通倉庫業では、倉庫事業全体の収益、費用が保管部門、荷役部門ともに昨年度に比べ増加。経常収支率は102.6%と前年度(101.3%)に比べ1.3ポイント上昇しており、3年度連続で経常収支率は堅調に推移し黒字となった。
1社平均の倉庫部門における経常収益は15億2643万4000円、経常費用は14億8795万6000円、経常利益は3847万8000円となり、経常収支率は102.6%と前年度より1.3ポイント上昇し、3年度連続の黒字と堅調に推移。調査対象事業者147社中、倉庫部門で黒字となっている事業者は92社(62.6%)で、平成15年度以降の割合は60%以上で推移している。
経常収支率を規模別でみると、大規模事業者が102.5%、中規模事業者が103.0%、小規模事業者が100.7%となっており、大規模事業者、中規模事業者と比較して小規模事業者が低くなっている。
倉庫部門のうち、保管部門における1社平均の経常収益は前年度に比べて2699万7000円(3.1%)増の8億9012万9000円、経常費用は前年度に比べて1367万3000円(1.7%)増の8億3688万3000円となり、経常利益は5324万7000円と前年度に比べて1332万5000円(33.4%)の増加となっている。この結果、経常収支率は106.4%と前年度より1.6ポイント上昇しており、平成16年度からは上昇傾向。
これに対して、荷役部門における1社平均の経常収益は前年度に比べて355万1000円(0.6%)増の6億3630万4000円、経常費用は前年度に比べて254万2000円(0.4%)減の6億5107万3000円となり、経常損失は1476万9000円と前年度に比べて609万2000円(29.2%)の減少となっている。
この結果、経常収支率は97.7%と前年度より0.9ポイント上昇しており、2年度ぶりの上昇となっているが、過去5年度においても100%を下回っており、依然として荷役にかかる収益は厳しい状況が続いている。
流通加工を行っている事業者は50社(34.0%)で、1社平均の流通加工収益は3億5689万2000円(1社平均の経常収益28億6519万2000円)、流通加工費用は2億6694万2000円(1社平均の経常費用28億1706万8000円)となった。
1社平均の経常費用14億8795万6000円のうち、構成割合については人件費が21.2%、下請費用が31.6%、賃借料11.9%、減価償却費9.1%、営業外費用2.0%(うち金融費用1.5%)となっている。主要原価構成割合を過去5年度で見ると、下請費用の割合が増加傾向にあるが、人件費、減価償却費、賃借料、租税公課の割合は減少している。
生産性については、従業員1人当たりの営業収益が1638万7000円と前年度に比べて93万円(0.6%)の微増となっており、平成16年度からは上昇傾向。一方、従業員1人当たりの入出庫数量は4927トンと、前年度に比べて338トン(6.4%)減少した。従業員1人当たりの所管面積は535㎡と、前年度に比べて3㎡(0.6%)微増。
冷蔵倉庫業の経営状況は、収益より費用の減少割合が大きいことから、経常収支率は107.8%と前年度(107.4%)に比べ0.4ポイント上昇、過去5年度以上黒字傾向となっている。
1社平均の倉庫部門における経常収益は14億2709万3000円、経常費用は13億2354万5000円、経常利益は1億354万8000円となり、経常収支率は107.8%と前年度より0.4ポイント上昇。調査対象事業者124社中、倉庫部門で黒字となっている事業者は99社(79.8%)で、過去5年度間で最も高い割合となっている。
経常収支率を規模別でみると、大規模事業者が108.0%、中規模事業者が104.9%、小規模事業者が103.3%となっており、大規模事業者ほど高くなった。
倉庫部門のうち、保管部門における1社平均の経常収益は前年度に比べて2308万9000円(2.5%)減の9億428万円、経常費用は前年度に比べて3329万8000円(4.0%)減の8億44万6000円となったが、経常利益は1億383万4000円と前年度に比べて1020万9000円(10.9%)の増加となっている。この結果、経常収支率は113.0%と前年度より1.8ポイント増加している。
これに対して、荷役部門における1社平均の経常収益は前年度に比べて2642万円(4.8%)減の5億2281万3000円、経常費用は前年度に比べて1815万7000円(3.4%)減の5億2309万8000円となり、経常損失は28万6000円と2年度ぶりの赤字となっている。
また、経常収支率も99.9%と前年度より1.6ポイント低下していることから、冷蔵倉庫業倉庫部門の経常収支率は荷役部門の赤字を保管部門が補っている形となっている。
流通加工を行っている事業者は17社(13.7%)で、1社平均の流通加工収益は5億7780万7000円(1社平均の経常収益48億5674万8000円)、流通加工費用は5億1972万9000円(1社平均の経常費用44億8005万5000円)となっている。
主要原価は、1社平均の経常費用13億2354万5000円のうち、構成割合については人件費が22.7%、下請費用が22.0%、減価償却費7.2%、賃借料12.0%、営業外費用2.4%(うち金融費用1.9%)となっている。主要原価構成割合を過去5年度で見ると、下請費用の割合は増加傾向にあるが、減価償却費、租税公課、営業外費用の割合は減少している。
生産性については、従業員1人当たりの営業収益は1679万2000円となり、前年度に比べて37万7000円(2.2%)の減少。また、従業員1人当たりの入出庫数量は1882トンとなり、前年度に比べて64トン(3.3%)減少した。従業員1人当たりの所管容積についても1235立方メートルとなり、前年度に比べて79立方メートル(6.0%)減少した。

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