LNEWSは、物流・ロジスティクス・SCM分野の最新ニュースを発信しています。





物流・ロジスティクス・SCM分野の最新ニュースを発信

帝国データバンク/2009年の運輸業倒産が500件台、負債総額1630億円

2009年12月08日/調査・統計

帝国データバンクは12月8日、運輸業者の倒産動向調査をまとめ、ことしの運輸業者の倒産は11月までに484件発生しており、前年同期11.0%増となった。4月に月間最多の58件の倒産が発生し、2008年下期から、ことし上期にかけて倒産が多発した。

4年連続の前年比増加で初の500件台となり、負債総額も1629億3600万円(前年同期は1286億6900万円)と26.6%増。1件あたりの負債額は3億3700万だった。

484件を業態別に見た場合、一般・特定・軽貨物自動車運送などの「トラック運送(道路貨物運送)」が346件(構成比71.5%)と多く全体の7割強を占めた。

国内貨物輸送量の減少、2008年8月がピークだった燃料費高騰になどが大きく影響したと見られ、次に運送取次、梱包、港湾運送などの「運輸付帯サービス」が81件(16.7%)となった。

地域別では関東の135件(27.9%)がトップ。近畿の133件(27.5%)がこれに続き、次いで中部の71件(14.7%)。2008年からの増加率では中部(48件→71件)が47.9%増と増加した。

負債規模別では1000~5000万円未満が172件(構成比35.5%)でトップ。5000万円~1億円未満の86件(17.8%)と合わせると、負債1億円未満の倒産が258件(53.3%)に達している。

100億円以上は、なつ運送(7月に負債197億円で倒産)の1件のみ。負債10億円以上でも計27件(5.6%)にとどまっている。倒産理由では「販売不振」が369件(76.2%)で4社に3社が販売不振による倒産。次いで「放漫経営」が23件(4.8%)、「業界不振」が20件(4.1%)となった。

業界の動向は、冷蔵車・冷凍車など一部の特殊な運送業者を除き、貨物運送を手がける一般業者は、多くが昨年後半から今年に失った受注分を未だ取り戻しておらず、この状況下で燃料価格が上昇し始めている。

ここ数か月は倒産件数こそ落ち着いているが、約定弁済の遅れや支払い条件の変更要請が相次ぎ、倒産予備軍の企業は多い。高速道路無料化や暫定税率廃止・環境税導入などの新政策による影響、燃料費問題の再燃なども懸念され、2010年も運輸業者の倒産は高水準で推移すると見られる。

関連記事

調査・統計に関する最新ニュース

最新ニュース