Zepol(ゼポ)は9月10日、米韓FTA発効後3か月の輸入関税対象価額の変化を米国商務省統計6月分データから分析した。
<表1>
その結果、韓国輸出価額の22%を占める電気機器類は、もっとも早く顕著な変化が見られ、3月の輸出額(約10億ドル)に対して、約18%分が課税対象だったが、翌月の4月実績では7.9%に、対象分価額は3月の46.5%に半減(53.5%減)した(表1参照)。
3か月後の6月実績では、課税対象分は7.5%に、対象分価額は3月の36%(64%減)まで減少した。
電気機器類ては、既に輸出量の半分以上がFTAの関税撤廃・削減のメリットを受けたことになる。
また、全体の25%を占める自動車関連は、同様の計算で、輸出価額12億ドルに対して95.6%が課税対象分だったが、4月、6月までの実績ではそれぞれ83.4%、 83.7%までに下がった。 課税対象分価額は(輸出実績の3月比増加幅を勘案すると)それぞれ15.3%、 12.7%の減少だった。
輸出全体合計では、課税対象分が52.2%から37.6%まで下がり、対象分価額はFTA発効前に比べて6月末で28%まで減少した。
一方、「米国業界内のFTAに対する受け止め方」に関して、Zepolは米国ロジステック専門誌WT100と共同で、オンライン・アンケート調査 (Quick Survey) を行い、275社から回答を得た。
「米韓FTA活用の計画はあるか?」との質問に対して、32%がYES(計画あり)、との回答があり、関心の強さを感じさせる。
韓国は米国輸入価額ランキングは6位(シェア2.5%)だが、関税対象分比率では、3月までは52.2%と日本(58.9%)に次いで高く2位だった。
これは、今回のFTAにより、NAFTAのカナダ (9.6%)、メキシコ (3.7%)に近づくことになる。
<表2>
また、輸入物量のランキングで、コンテナ貨物量(自国分を表す荷受け地ベース)でも、既に、日本を抜いて第2位を占めている(表2参照)。
表1のとおり、これから電気機器に続き物量の多い自動車関連分野にもFTA効果が拡大し、それを活かした価格競争力を背景に対米輸出製品の生産と物流に変化をもたらす展開となっている。
問い合わせ
ZepolJapan
南石正和
mnasneki@zepol.jp