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タイ大手EMSベンダ/少量多品種管理にAsprovaを導入

2013年02月25日/生産

アスプローバは、タイでの生産スケジューリングシステムの導入事例を紹介した。

タイの大手EMSベンダであるチームプレシジョン社は、アスプローバ社製のAsprova MS Light+オプション製品を2011年4月(カットオーバーは、2011年10月)より導入している。

Asprova MS Lightは、必要最低限の生産スケジューラ機能を顧客に提供するもので、初期投資を抑えながらも現場のニーズ・習熟度に合わせてオプション機能を追加できる製品として、海外の多くの工場で採用されている。

チームプレシジョン社では、さまざまなセットメーカーにプリント基板を製造し提供している。生産ラインは自ずと少量多品種にならざるを得ず、生産スケジューラの持つ意義は大変大きい。

チームプレシジョン社では、タイの日系工場に部品を提供するだけでなく欧米のメーカーにも輸出しており、グローバルに展開するEMSベンダとして、部品を顧客の納期に合わせて航空便で送らなければならない。

しかし、顧客からの受注は大きく変動するだけでなく、設計変更への対応も多いのが実情で、ラインにある部品をいかに効率的に輸送するかが大きな課題となっていた。

顧客の特急要求に都度対応していたのでは、航空便での輸送も三々五々となり、その費用は大変大きなものになる。

Asprova MS Lightは、生産能力による山崩し、製造実績を反映したリスケジューリング機能で顧客の要求にこたえている。タイ国内に輸送する部品に関しては、納期Fix型のバックワードスケジューリングで納期を守り、海外に輸出する部品に関してはフォワードスケジューリングで納期回答を実現している。

国家戦略で部材から製品まで広く裾野を持つタイの製造環境では、チームプレシジョン社も多くの材料をタイ国内のサプライヤから調達している。

比較的インフラが整ったタイの工場区においても、サプライヤからの部材提供が遅れることも多くある。Asprova MS Lightのオプション機能は、材料による制約スケジュール、生産計画の変更を反映した部材発注などの顧客要望を満足できるもの。

多くの海外工場と同様に、チームプレシジョン社にも情報システムの専任者はいない。生産管理業務にかかわるメンバーがAsprovaを運用しているからだ。

日系製造業の海外工場と比較してその優位性を感じるのは、SCMチームによる生産計画策定とその変更に対するトップダウンでの対応の速さ。顧客からの生産計画の変更は、Asprovaによって見える化されたラインシミュレーションを利用し、その場で即時決定、現場に指示される。

今年、タイ政府の政策によりタイ全土での最低賃金の引き上げが行われた。低コストで欧米企業の仕事を受けているチームプレシジョン社にとっても、これまでのクオリティーデリバリーに加えてコストを意識した生産計画が今後不可欠になってくると想定される。

アスプローバとしては地元のパートナーであるDataCollection Systems社とも連携し、チームプレシジョン社に対して、AsprovaKPI即時原価シミュレーション機能を提案するなど、さらなるコスト戦略への支援も行ってゆく予定としている。

アスプローバ
http://www.asprova.jp/

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