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経団連/貿易での物流の円滑化で提言

2014年04月16日/国際

日本経済団体連合会は4月15日、セキュリティ対策と貿易円滑化についての提言をまとめ、発表した。

経団連は産業の国際競争力強化の観点から物流政策についてのグランドデザインを2013年4月に、「次期物流施策大綱に臨む」にまとめて発表。

企業がグローバル経済下で高い競争力を発揮するには、国内外でシームレスな事業活動を可能とする効率的な物流インフラの整備とインフラ間の連携を進めることに加え、貿易でのセキュリティ確保と物流の円滑化の2つの政策目的を高い次元で達成することが求められるとしている。

この2つの政策目的に関して、「AEO制度の一層の改善」、「新KS/RA制度の運用の見直し」、「NACCSの一層の充実」、「今後の通関制度のあり方の検討」の4点について提言している。

「AEO制度の一層の改善」では、何度か制度改善を行い評価はできるものの、セキュリティ管理のための要員確保やコスト負担、報告等に係る事務負荷が大きく、事業者の負担に比べて期待した程のメリットは得られていないと指摘。

AEO事業者に対する新KS/RA制度等の他の貿易関連制度とのさらなる連携、諸外国とのAEO制度の相互承認の加速、セキュリティ管理上の負担と実績に応じた段階的なメリットの提供、AEO通関に係る納税担保のあり方の検討、合併や会社分割時等における認定の継続性確保等が課題として挙げられている。こうした課題の解決に向けて、当局と民間事業者との意見交換の場を適宜設ける等により、制度の一層の充実を図っていくべきである、としている。

「新KS/RA制度の運用の見直し」では、新制度は、運用面でRAを中心に関連業界の努力に多くを依存し、また、現行制度が破たんした場合の補完体制がないことから、セキュリティ対策に係る負担の増大に加え、リードタイムの延長や物流の遅延・滞留リスクの拡大の恐れが高まっていると指摘。

そこで、体制整備は国の責務との基本認識で、検査体制の充実を急ぐと同時に、適切な航空保安体制の確立に向けた改革に早急に着手することが求められる、としている。

「NACCSの一層の充実」では、何度か更改が行われたものの、ITを前提とした通関手続きの流れの抜本的な見直しを伴ったものとは言い難いとし、利用者を構想段階から参加させたシステムづくりを行うべきとしている。

また、薬事法等の他法令手続きや原産地証明書等のシステム化等の電子化・ペーパーレス化の一層の推進、出港前報告制度により提供される貨物情報のNACCSへの取込み、荷主-物流事業者間の情報も含めた情報フォーマットの統一化、NACCS情報の利活用、バックアップ・システムの強靭化、わが国と貿易関係の深い国々とのデータ連携等の課題については、可能なものから順次検討・導入することを求めている。

「今後の通関制度のあり方の検討」については、諸外国の制度も参考にしつつ、すでに検討が開始されている税関申告官署の自由化はもとより、原産地証明制度、輸出申告、輸入消費税等も含め、自由貿易の一層の進展を見据えた通関制度のあり方についても引き続き検討を深めることが望ましいとしている。

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