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富士ゼロックス/取引先との調達関連情報をグローバルで一元管理

2015年05月07日/生産

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富士ゼロックスは5月7日、主要取引先約900社・事業所と結んだ電子商取引用の電子データ交換(EDI:Electronic Data Interchange)を機能強化すると同時に、自社開発した調達BCP(事業継続計画)システムと接続することで、調達関連情報をグローバルで一元管理する仕組みを稼働したと発表した。

取引先とやり取りする情報をタイムリーに可視化し、また、それらの情報を社内のさまざまなデータベースと繋げて分析することで、災害などの際の迅速な経営判断を支援する。

EDIの機能強化では、対象とする文書をこれまでの設計変更依頼や部品発注などの5種類の文書から、電子メールやファクスでやり取りされていた、生産準備、量産調達、管理改善の全プロセスにわたる43種類の文書に順次拡大。

調達部門と取引先との間で交わされる各種問い合わせとその回答などの進捗を管理する機能を追加する。 さらに、こうした担当者間のやり取りを、両社の管理者や関連業務担当者が適切なアクセス権管理のもとで閲覧できる機能も追加し、調達業務を組織的に管理できるようにする。

調達部門のみならず、取引先においても、調達業務の管理強化・効率化が図れる。

調達BCPシステムは、東日本大震災やタイの水害などの経験から、生産計画、構成管理、部品属性、生産基幹システムなどの各種データベースを連携し、BCPの立案・遂行を支援するシステムとして構築、2012年から稼働。

このシステムを活用することにより、2011年から2014年にかけて、リスク案件に関わる対応時間を大幅に短縮、問題発生から1週間以内で解決に至った案件の割合を1.5倍に高め、生産などへの影響度の高いリスク案件の割合を3分の1に抑えた。

EDIと調達BCPシステムを接続することにより、中国やベトナムなどのそれぞれの生産拠点で行われている調達業務に関するすべての情報をタイムリーに一元管理できるだけでなく、各種データベース情報と連携することで、調達業務の効率化とBCP対応力を高める。

例えば大きな災害などが起きた際、取引先との間で交わされる部品供給への影響に関する問合せや回答を、新システムを通して行うことにより、これまでの手作業による集計作業なしで生産への影響の全体像をタイムリーに把握できる。

取引先から入手した部品の供給に関する情報を、部品在庫情報や生産計画などの他のデータベースの情報と連携させ、代替部品の発注や生産計画の変更などに役立て、生産ライン停止などの影響を最小限にとどめる。

暗号化技術を使ったEDIを2001年に導入し活用してきた。また2008年に調達本部を設置するなど、一連の調達改革に取り組み、国内外の生産会社を横断した調達体制の再編とガバナンスの強化、取引先関係の再構築、CSR調達、取引先1社ごとに全取引を統括する主幹バイヤー制度の導入などの体制強化を実施してきた。

こうした改革の仕上げとして、EDIと調達BCPシステムを連携させることで、調達業務のさらなる効率化と原価改善、緊急事態への対応力強化を図っていくとしている。

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