CBREは4月20日、三大都市圏(首都圏・近畿圏・中部圏)の2017年第1四半期の大型マルチテナント型物流施設(LMT)の市場動向を発表した。
2017年Q1の首都圏大型マルチテナント型物流施設(LMT)市場の空室率は、6.5%と前期から0.3ポイント低下した。
エリア別の空室率でみると、東京ベイエリア・外環道エリア・国道16号エリアの内側3エリアではいずれも低下したものの、圏央道エリアでは19.8%へ再び上昇した。
結果として、エリア間の格差は一段と拡大している。また、今期の新規需要は2万7000坪と、2015年Q3以来の低水準となった。
竣工1年以上の物件の空室率は依然として低水準ではあるものの、2015年Q4の1.2%を底にじわじわと上昇している。
CBREインダストリアル営業本部首都圏営業部の佐藤亘部長は、「内側3エリアでは、2017年に竣工予定のすべての物件で、テナント内定が進んでいる。都心への良好な交通アクセスに加えて、周辺人口が多いため雇用を確保しやすいことが、テナント誘致に有利に働いているようだ。圏央道エリアでも、ランプウェイ等を備えた高機能の施設を中心に大規模な引き合いもみられるようになり、来期以降の空室率は再び低下すると予想される」とコメントしている。
近畿圏のLMT市場では、新興の内陸立地に竣工した物件が空室を残したことにより、空室率は17.4%に大幅に上昇した。新規需要も低いレベルにとどまったが、来期には需要量が回復する見通し。
内陸部では来期以降の竣工物件でテナントの内定が進んでいること、湾岸部でも、実 質賃料の下落が顕著であるため、大型テナントの引き合いが出ていることがその理由。
中部圏のLMT市場では、今期過去最高の5万2000坪の新規供給があり、しかも約8割の面積ですでにテナントが決定している。
空室率は8.5%と前期から5.9ポイント上昇したものの、中部圏全体の新規需要は3万9000坪と、こちらも過去最高を記録した。実質賃料も対前期比2.3%像と大きく上昇し、 3500円/坪となった。
CBRE/首都圏の大型マルチ型物流施設の空室率は9.7%と横ばい