日野自動車は5月21日、ドライバーの急病等の異常発生時の車両停止を支援する「ドライバー異常時対応システム(EDSS:Emergency Driving Stop System)」を開発したと発表した。
ドライバーの急病等を原因とする事故では、車両がコントロールを失ったまま走行を続け、反対車線への逸脱やガードレール等への衝突といった二次被害が発生する可能性がある。
被害を最小限にとどめるためには、異常発生後に一刻も早く車両を停止させることが有効。
お客からも「万一の際に車両を緊急停止させる機能がほしい」という声が多く寄せられており、商用車メーカーの社会的責務として事故防止に貢献できる技術をいち早く世に出すべきという考えから、非常ブレーキスイッチで車両を止める方式のドライバー異常時対応システムを実用化した。
急病等でドライバーが運転操作の継続が困難となった場合、ドライバー自身や添乗員が運転席の非常ブレーキスイッチを押すか、もしくは乗客が客席上部に設置されたスイッチを押すことで、制動を開始し、徐々に速度を落とし停止する。
このとき、車内では非常ブザーが鳴るとともに、スイッチに内蔵されたランプが点灯、赤色フラッシャーが点滅して、緊急停止することを乗客に伝達する。
周囲に対しては、ホーンを鳴らし、ストップランプとハザードランプを点滅させ異常を知らせる。
大型観光バス「日野セレガ」に標準装備させ、今夏発売する。