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ZMP/ローソン、慶大の協力で宅配ロボットを大学内サービス実証実験

2019年03月13日/IT・機器

ZMPは3月13日、ローソンと慶應義塾大学SFC研究所の協力を得て、慶應義塾大学湘南藤沢校舎で宅配ロボット(CarriRo Deli)によるコンビニ商品の無人配送実証実験の模様を公開した。

<キャンパス内に設置した仮設店舗で商品を袋詰め>
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<CarriRo Deliに商品を搭載>
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<CarriRo Deliが構内を走行中>
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<注文者がQRコードを確認>
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<QRコードをかざしてロッカーを開ける>
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<商品を取り出す。CarriRo Deliも笑顔に>
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実証実験は、1月21日から1月31日の期間、行っていたもので、その成果を公開したもの。

実験参加者は、スマホに専用のアプリをダウンロードし、ユーザ登録を行った後、ローソンの弁当や飲み物、スイーツなどを注文。キャンパス内に設置した仮設店舗から指定の配達拠点(8か所)までCarriRo Deliが届けた。発注者のスマホにはロッカーのカギであるQRコードが送信され、ロボットのカメラにかざすと商品が入ったロッカーが開く仕組み。自動配送ロボットでコンビニ商品を届け、実際に商品の売買が発生する無人配送の実証実験は世界初となる。

アプリで商品を注文し、指定の時間に受け取ることができるため、食事やドリンク、デザート等の選択肢が増えた他、休憩時間を有効活用することができるなどのメリットが生まれた。利用した学生からは「便利!」「かわいい!」という声が聞かれたという。

ZMPはすでに、都内各所での宅配寿司の銀のさら、森ビル・オフィスデリバリ、福島県南相馬市での日本郵便とローソンの取り組み、品川港南エリアでの電通国際情報サービスと東京大学の取り組み等、実用化を目指して様々な取り組みを行っている。

<左から慶應義塾大学SFC研究所政策・メディア研究科の大前学教授、ZMPの谷口恒社長、ローソンの牧野国嗣理事執行役員オープン・イノベーションセンター長>
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<4色勢ぞろいしたCarriRo Deli>
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ZMPの谷口恒社長は「CarriRo Deliはほぼ完成形に近づいてきた。このロボットは、デリバリーロボットでコミュニケーションロボットではないが、コミュニケーションを重視し、ロボットの目に当たる部分も人を認識するとアイコンタクト機能があるため、カタチを変え、ロボットの色も例えばYellowなら優しい声にするなど、ちょっとした遊び心を加えている。実際、実証実験では、利用した学生から、『かわいいのでまた利用したい』、『早く実現して欲しい』といった声もいただいた」と利用者から好評価を得たと話した。

また、「CarriRo Deliは、今はまだ日本で公道を走ることができないが、2020年の東京オリンピックまでには実現し、世界から来られる観光客の方に日本では面白いロボットがデリバリーしている、といった『クールジャパン』の印象を持って帰って欲しいと思っている」と抱負を語った。

現在、CarriRo Deli実証実験は公道が許可されていないため、閉じられた空間、つまり大学や病院、レジャー施設、商業施設といった私有地での展開を進めている。谷口社長は「ラストワンマイルということでCarriRo Deliは宅配サービスに特化したロボットだが、コスト面と規制面から今はフードデリバリーのようなより付加価値のついたサービスから展開していきたいと思っている」と述べている。

実証実験に協力したローソンの牧野国嗣理事執行役員オープン・イノベーションセンター長は「ローソンではいかに顧客に便利さを届けるかを常に考えている。現在、人手不足からラストワンマイルの話題が盛んで、自動運転車の実用化も近づいている。自動運転車で商品を届ける場合、顧客のニーズはどのようなものなのかは気になっていた。このような時に、ZMPから実証実験の声掛けがあり、ありがたい話だと即受けた。ローソンとしては、笑顔ではないが、買い物以上の価値を顧客に届けられたらと考えている」と話した。

慶應義塾大学SFC研究所政策・メディア研究科の大前学教授は、「CarriRo Deliの技術的な面は全面的にZMPが独自で作ったもの。私どもの研究所では、このプロジェクトが学生たちに人気で、ぜひ参加したいと言ってきた。この湘南藤沢校舎では、食事環境に対する不満が学生にあったようで、ぜひこのようなシステムを導入してほしいといった声が多く聞かれた」と話した。

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