センコーは3月28日、帝人とICタグを使った商品の入出荷システムを共同開発し、2月からセンコーの大分メディカル物流センターで本格運用を開始したと発表した。
新システムは、特殊な2次元通信シートから発せられる電波の距離を制御することで、ICタグを貼付した管理対象物をピンポイントで読み取ることができる帝人のRFID在庫管理システム「レコピック」の技術に、物流センターで実運用できるよう改良を加えたもの。
大分メディカル物流センターでは、パレット（荷物）や保管ラックにICタグを、フォークリフトに読み取り用アンテナシートを取り付け、フォークリフトで自動的に商品データを把握可能にした。
これにより、従来はリフト荷役作業時にフォークリフトから降りてバーコードを読み取ることで行っていた商品やラック位置の把握を、降車せずに行うことが可能になるため、作業効率の向上や誤出荷防止などの効果が期待できる。
フォークリフトのような移動体に「レコピック」を搭載するのは今回が初の事例。センコーは、新システムについて全国の物流センターへの導入も視野に入れ、帝人との連携を強化しながらシステムの運用実績を重ねていくとしている。
センコーグループでは、物流業界での人手不足や作業コストの上昇への対策として物流センター内の省人化・機械化を積極的に進めており、2018年4月に「AI化プロジェクト」と「ロボティクスプロジェクト」を発足。
新システムの導入は、「ロボティクスプロジェクト」での取り組みの一つで、2018年8月から大阪府内の物流センターでの試験運用を経て、大分メディカル物流センターへ導入された。
