LNEWSは、物流・ロジスティクス・SCM分野の最新ニュースを発信しています。





オープンロジ/インドネシアでのEC物流実証実験結果を発表

2019年05月16日/3PL・物流企業

  • 関連キーワード
  • 荷主

オープンロジは5月16日、日本貿易振興機構(JETRO)支援でインドネシアで実施したEC事業者と物流事業者を結ぶ物流プラットフォーム実証実験の結果を発表した。

<実証実験スキームの概要>
20190516openl1 500x160 - オープンロジ/インドネシアでのEC物流実証実験結果を発表

<EC市場規模>
20190516openl2 500x311 - オープンロジ/インドネシアでのEC物流実証実験結果を発表

実験概要はEC市場の成長著しいインドネシアで、2018年4月16日から2019年3月29日までの約1年間、社員を現地に派遣し、「EC物流を取り巻く市場環境の調査:現地ECセラー約40店舗へのインタビュー調査を実施」、「配送事業者および大手ECサイトとのシステム連携:3つの現地サービスと連携」、「オープンロジのシステムを活用した物流実験:3か所の現地倉庫と提携し約400件を出荷」の3項目に沿った実証実験を行ったもの。

<バイク便での配送の様子>
20190516openl3 500x370 - オープンロジ/インドネシアでのEC物流実証実験結果を発表

「EC物流を取り巻く市場環境」では、配送方法はバイク便が中心であり、その品質は日本と比較して低い(到着日遅れ・梱包品質)。主要な配送会社が6・7社と多い。また住所システムが複雑なため出荷手続きの負担が大。労働力確保が容易なため、EC事業者の大半は物流を自前で行う。盗難の心配やサービス自体を知らないといった理由から物流アウトソーシングの浸透度は極めて低く、啓蒙が必要。

<現地事業者宅の在庫>
20190516openl4 - オープンロジ/インドネシアでのEC物流実証実験結果を発表

<現地提携倉庫で管理された在庫>
20190516openl5 - オープンロジ/インドネシアでのEC物流実証実験結果を発表

<入庫作業の様子>
20190516openl6 - オープンロジ/インドネシアでのEC物流実証実験結果を発表

また、在庫管理の意識が根付いておらず、EC事業者自身が在庫数を正確に把握せず欠品が多発。実際に現地サイトを利用した購入実験では17件中3件が注文後に欠品キャンセルされた。といった結果が得られた。

「配送事業者および大手ECサイトとのシステム連携」では、実験では、複数配送会社手配の一括管理サービス『Shipper』および現地大手ECモールの『Shopee』『tokopedia』と連携し、システムは問題なく稼働。また現地のEC受注・運営管理システム『JUBELIO』を介して他大手ECサイトとも連携可能なことを確認。決済は、与信の面からBtoC型のECサイトであってもエスクロー方式が一般的である。

「オープンロジのシステムを活用した物流実験」では、3か所の提携倉庫(ジャカルタ市内2か所・市外1か所)より、404件・5347個の商品の出荷を実施。システムは問題なく稼働し、全ての出庫を無事故で実施した。

システムに沿った作業とトレーニングで、現地スタッフもミスなく日本水準の作業が可能。実験に協力した荷主からは、システムの使いやすさや梱包品質に対して高い評価を得た。在庫管理・出荷の労力や保管スペースの削減でも、現地中小荷主の課題解決に繋がった。島嶼国であるインドネシアは配送距離による価格差が大きく、物流アウトソーシングによる在庫分散により消費地近くで在庫管理と発送が行えることは日本以上にメリットが大きい、としている。

これらの結果から、インドネシア政府に対して、「大手企業と政府機関に対する、APIのオープン化:中小事業者の競争力向上と新サービス支援」、「交通渋滞の解消:交通政策の検討に加え、幹線輸送や在庫分散の啓蒙についても言及」、「バーコードなど統一規格の作成:現状規格が無く、管理や情報共有の基盤として整備が必要」、「国全体へのブロードバンドおよびIT機器へのアクセスの機会の提供」の政策提言の内容を伝えた。

<実験結果報告会>
20190516openl7 500x375 - オープンロジ/インドネシアでのEC物流実証実験結果を発表

今後に向けて、オープンロジは日本で展開中のサービスが現地で展開可能であり、物流業務の標準化・効率化を通じて現地中小ECおよび物流事業者の課題解決に貢献できると考える。今後は実験で得られた知見と課題をふまえ、同国での事業展開を引き続き検討していくとしている。

関連記事

3PL・物流企業に関する最新ニュース

最新ニュース