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DHL/日本の貿易成長、6~8月にかけて停滞の見通し

2019年07月08日/調査・統計

DHLは7月8日、DHLグローバル・トレード・バロメーター(GTB)の報告書をもとにした貿易成長動向の見通しを発表した。

<DHLグローバル・トレード・バロメーター>

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それによると、日本の貿易は6~8月にかけて成長率の低下傾向が加速し、総合指数は7ポイント低下の50ポイントを記録するとしている。

これに対して、DHLグローバルフォワーディングジャパンのチャールス カウフマン社長(北アジア南太平洋地区CEO)は、「日本は進行中の米国と中国の貿易摩擦の両方に晒されており、自国の貿易見通しに大きな打撃を受けているように見受けられる。5月に中国向け輸出が10%減少し、予想外の伸びを示した4月から輸入が減少したため、全体の輸出は8%近く減少している」

加えて、「国際貿易情勢の不安定と不確実性が継続していることに加え、米中対立の関税措置にも間接的に晒されていることから、日本の主要製造業は以前にも増してより一層慎重な姿勢を示している」とコメントしている。

航空・海上輸送量は、ともにほぼゼロ成長に減速する見通し。

航空輸出では資本設備・機械、ハイテク製品、化学品・製品、機械部品が、海上輸出では工業原料、陸上車・部品が大きく増加するにとどまると予想。航空輸入の減少で、航空貿易全体の見通しは11ポイント低下の50ポイントを記録するものの、航空輸出は比較的堅調を維持する。一方、海上貿易は49ポイントとなり、縮小する見通しだ。

また、今回のGTBの結果は、2018年の開始以来初めて、8月までの第3四半期に国際貿易が微減し、世界全体の貿易見通しがわずか48ポイントに低下すると予測している。

これについて、DHL Global Forwarding, Freightのティム シャーワットCEOは、「米中関係の緊張が高まる中、2019年第3四半期の国際貿易見通しがやや悲観的であったことは驚くに値しない。最新のGTBでは、貿易摩擦が勝者を生み出さない理由を明確に示している。それにもかかわらず、ドイツなど一部の主要国では、引き続き貿易でプラス成長を続けている。そのため、国際貿易は依然としてプラス成長となっている。当社では、2019年は全体的にはプラス成長ではあるものの、貿易の成長は鈍化する年になるとの当初の見通しに確信を持っている」と述べている。

なお、米中間で続く貿易摩擦は貿易量の減少に大きく寄与しており、GTBの調査対象となった全ての国のうち、米中両国の貿易見通しは米国が-11ポイント、中国が-7ポイントと最大の下げ幅を記録した。

GTBは、人工知能、ビッグデータを駆使することにより算定される国際貿易成長に対する早期指標で、2018年1月から年4回発行されている。

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