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カンダHD/子会社の元使用人兼務役員の業務上横領で調査報告書

2020年09月29日/SCM・経営

カンダホールディングスは9月29日、子会社の元使用人兼務役員の業務上横領で社内調査委員会による調査報告書が提出されたと発表した。

これは、連結子会社であるレキストにおいて元使用人兼務役員が前年度までの経理財務に関する職務を担当していた期間を通じて、同社の金銭を横領していた疑いのある事実が判明したため、社内調査委員会を設置し事実関係解明に努めてきていたもの。

調査報告書によると、レキストにおいて、同社設立以来27年間に亘る、経理財務の職務を一人で担当していた使用人兼務役員(調査対象者)が定年を間近に控えていることから後任人事を決定し、2020年7月より事務の引継を行っていた。

8月に入り、後任者が、毎月の給与振込を依頼している取引銀行から、振込事務完了の都度郵送される「総合振込・給与振込集中処理明細表」(調査対象者が他者に見せないようにしていた書類。以下「処理明細表」)の中に、給与振込先として調査対象者名義の複数の銀行口座と金額の記載を発見し、調査対象者が不正に自己名義の銀行口座に送金していたとの可能性を認識した。

本件疑義に関する情報は同社社長から、8月5日カンダHDコンプライアンス委員会に報告があり、同委員会が8月12日及び8月18日に調査対象者に直接事実確認のインタビューを行った。

調査対象者は、会計システムに人件費(給与)を水増し計上し、銀行の給与振込システムに登録した調査対象者名義の複数の銀行口座に振り分けて送金する方法で、長期に亘り金銭を着服していたことを認めた。

調査の結果、調査対象者が、レキストにおいて経理財務の担当責任者としての地位を利用して、毎月の人件費(給与)を数百万円水増しし、自己名義の複数の銀行口座に金銭を振り分けて振込み、それを着服していた事実が判明した。

その行為は調査対象者が単独で行っており、2000年4月から2020年3月までの20年間に及んだ。その間に不正に領得した金額の合計は、7億1921万2273円であったことが分かった。

カンダHDでは、社内調査委員会が認識した再発防止策の骨子として、「人事の固定化を防ぐ方策の強化」「親会社管理部門・内部監査部門等による一層の関与」「ルール・態勢の周知及び不正に関する社内への啓発」「内部通報制度の活性化」「類似する業務内容のグループ会社統合の検討」を挙げている。

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