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日本郵船/東京湾で2度目の遠隔操船試験、急停止動作など確認

2020年12月04日/IT・機器

日本郵船は12月4日、グループ会社のMTI、京浜ドック、日本海洋科学とタグボートを使用した2度目の遠隔操船実船試験を実施したと発表した。

<実船試験中の陸上支援センター>
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試験では、東京湾上の「有人遠隔操船システム」を搭載したタグボートを、約400km離れた兵庫県西宮市の陸上支援センターから遠隔で操船し、東京湾内で航行させた。

今年1月に行われた前回の試験では船に搭載したセンサーやカメラで周囲状況を把握し、航海計画と行動計画を作成したうえで自動で航行する状態の確認を行っっている。今回は、主に機器異常に対応するために「フォールバック動作検証試験」と「通信データ量最適化試験」を実施し、その状態を確認・評価した。

<フォールバック動作検証試験>
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「フォールバック動作検証試験」では、航行中の通信や機器の異常を想定し、船に対して遠隔から信号を出し、①エンジンの後進によって最短で停止する、②エンジン負荷を下げて速度を落として次のウェイポイントで停止する、と言う2種類の方法で、異常に対して船の安全状態を維持、あるいは限定的ながら使用可能な状態を維持する機能についての確認試験を行った。

「通信データ量最適化試験」では、環境によって刻々と変化する通信速度に対して、安定的な遠隔操船の継続のためにレーダーエコーのデータ量を自動で調整し、他の信号に影響を与えないようにできるかを確認した。この試験は通信の断絶が許されない遠隔操船において必須の機能となっている。

これらの試験は、国土交通省が目標と定める2025年までの自動運航船の実用化に向けた取組みの一環。今後、日本郵船グループは、2度の遠隔操船の実船試験で得た知見をもとにシステムの改良を重ね、パートナーとの協業によって将来的な大型船での遠隔操船の実現を目指すとともに、有人自律運航船や無人運航船への技術展開に取り組むとしている。

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