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政府/新型コロナウイルスワクチンの供給体制を公表

2021年01月22日/SCM・経営

政府は1月22日、新型コロナウイルスワクチンの供給体制について公表した。

<国が確保したワクチンの提供スキーム>
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ワクチン確保は、米国モデルナ社ワクチン5000万回分、英国アストラゼネカ社ワクチン1億2000万回分、米国ファイザー社ワクチン1億4400万回分の合計3億1400万回分の供給を受けることについて、契約締結している。

ワクチンの輸入は、ファイザー社、アストラゼネカ社、モデルナ社のいずれも、航空会社の確保や税関との調整など、輸入に必要な手続きを進めており、ファイザー社は12月23日に海外のワクチン工場から国内到着空港の保税エリアへの搬入まで、国際輸送の検証を行った。

国内輸送は、ファイザー社の場合、運送会社が陸送(一部地域は空輸)する体制を構築し、12月15日~18日に鹿児島と沖縄への輸送を検証した。

アストラゼネカ社、モデルナ社のワクチンの国内輸送もファイザー社に準じた国内配送体制の構築に向けた準備をしている。

ワクチンは人口割合に応じて国が都道府県に、都道府県が市町村に配分する。市町村は、管内の接種会場(医療機関等)のワクチン希望量に応じて、各接種会場(医療機関等)に配分する。

ワクチンの保管用フリーザー(冷凍庫)は、2万台(マイナス75度1万台、マイナス20度1万台)を国で確保済みだ。

接種体制について、1月27日に川崎市立看護短期大学(川崎市幸区)で、集合接種会場の設営と運営(受付・予診・接種・観察・ワクチンの取扱い等)について訓練を行う予定で、受付・予診票記入・予診・ワクチン接種まで一人当たりどのくらいかかるか測定することとしており、体制に応じた接種規模の見込みを出す計画。

1月28日には、マイナス75度フリーザー(ファイザー社のワクチン用)の配置先(医療機関等)について自治体から報告を受け、3月末までに3370台(2月1510台、3月1860台)を順次配送する。

マイナス20度フリーザー(モデルナ社のワクチン用)の配置先(医療機関等)は1月28日以降、自治体に報告を求める。

<ファイザーのワクチンの小分けに関する条件と移送方法>
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ファイザー社のワクチンは約1000回接種分が最小移送単位だったが、ファイザー社との協議により、一定の要件の下、フリーザーが設置された医療機関等から近隣のクリニック等への冷蔵での小分けが可能となり、1月8日に自治体等に通知した。

一方、ワクチン流通全般を管理するV-SYS(ワクチン接種円滑化システム)の第一弾が1月18日にリリースした。

<新型コロナウイルスワクチンの事業イメージ>
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国が各メーカーとの契約に基づきワクチンの供給を受けた上で、各市町村に対してワクチンを無償で提供する。

ワクチンの接種・流通にかかる混乱を回避するため、国や自治体がワクチンの配分量を決定し、予め地域毎にワクチンの流通を担当する医薬品卸業者を設定しておき、メーカーから各医療機関までのワクチンの実際の物流等は、メーカーから委託を受けた卸業者等を通じて実施する。

<新型コロナウイルスワクチンの特性>
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(※薬事承認前の事前予定情報、1月15日現在)

<武田/モデルナ社ワクチンの流通・保管>
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<アストラゼネカ社ワクチンの流通・保管>
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<接種用の針・シリンジの流通・保管>
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さらに、国が各メーカーから接種用の針・シリンジを購入し、各市町村に対して無償で提供し、メーカーから各医療機関までの針・シリンジ等の実際の物流等は、国から委託を受けた卸業者を通じて実施する。

この他、保冷剤としてのドライアイスの供給について、配送は、国が一括して行うため、各自治体において調達を行うことは不要だが、沖縄県や離島(本州から陸送できない地域)はドライアイスを配送できない地域となる可能性があることから、超低温冷凍庫を用いた接種体制を構築する必要がある。

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