ウェザーニューズは7月6日、2021年の北極海の海氷傾向を発表した。

今夏の北極海航路の開通期間は、シベリア側航路(北東航路)が8月中旬~10月上旬まで。史上最長の88日間となった2020年よりは短くなるものの、約2か月にわたって開通状態が続くと予想している。カナダ側航路(北西航路)は9月上旬からの開通を見込んでいる。
地球温暖化の影響は北極域で最も顕著に現れ、世界全体の平均3倍の速度で温度上昇が起こっている。その結果、北極海の海氷の融解による北極航路の開通期間は長期化する傾向にある。
地球温暖化の影響による海氷融解の長期化や、北極海航路を選択することで航海距離の短縮につながりコストを節約できるという背景から、北極海航路は近年定常的な利用が進むとともに、北極海で生産された液化天然ガスを運搬するLNG船の主要航路となっている。
ウェザーニューズは、2017年に打ち上げた独自の超小型衛星「WNISAT-1R」を用いて、北極海の海氷のモニタリングを実施。独自の観測データに既存データを加えて北極海の海氷状況を分析し、北極海航路の安全航海を支援している。