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アセント/久夛良木CEO、常識超える製造・物流ピッキング提供

2021年07月29日/IT・機器

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アセントロボティクスは7月28日、製造・物流現場のロボットピッキングのためのAIソフトウェア「アセットピック」を公開した。

<アセントロボティクスの久夛良木CEO>
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<アセントピック>

元ソニー副社長、プレイステーションの生みの親で現アセントロボティクスの久夛良木健CEOは「コロナ禍の今、ライフスタイルは大きく変わった。EC需要の急伸により物流現場のひっ迫が伝えられているが、その多くがドライバー不足やピッキング、ラストワンマイルが原因。これは一つには全体的にシステム的な統一ができていないからだと考えている。私たちはこの困難なことに挑戦するための第一歩として、ハードを選ばないピッキングのAIソフトウェアを開発した。必要な機能を常識を超えた価格設定で提供する」と述べた。

同社が今回発表した「アセントピック」はハードの機種を選ばないAIソフトウェアで、展示されていたのは「食品ピッキング 果物陳列」や「物流センターピースピッキング」のモデル等計5モデル。

<果物のピッキングシステムの動作の様子>
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中でも、果物のピッキングシステムはロボットやカメラ、ソフト、導入費用等一式含めてパッケージング化し、499万円と破格の価格設定をしている。この価格の背景には、画像認識カメラを価格が極端に違う市販のものを採用し、同じ効果を生みながら、大幅なコストダウンを図っている点だ。もちろん商品は果物以外も可能だ。

また、画像認識だと、膨大なデータを読み取る費用と作業が必要になるが、あらかじめAIで学習・認識させているので導入費用等を抑えている点もある。

機械学習ベースの優れた認識エンジンを使用することで、複雑・特殊な形状のワークの認識が可能。さらに、ワーク同士、ワークとハンド、ハンドと箱等のさまざまな干渉を回避した把持位置を出力する。

機能面では、ディスプレイ画面は直感的で使いやすい画面にデザイン。システム設計や稼働中のシステムの稼働状態監視が可能。状態監視により、画面上で微調整も可能だ。

金属加工、工作機械や住設機器・建材などの輸出入・卸の専門商社山善とのコラボレーションから生まれたもので、2021年12月27日までの期間限定ソリューションパッケージ価格となっている。

<物流センターピースピッキングの動作の様子>
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「物流センターピースピッキング」では、日用品に対応。さまざまな日用品をオリコンからピッキングし、段ボール箱に収めるまでをデモした。これも、機械学習ベースの認識エンジンにより、ワークの種類が多くても、短い認識時間で実行可能だ。

そのほか、生産現場用の「製造ラインプレート部品供給」「製造ラインリング部品供給」「製造前工程部品キッティング」のモデルを説明した。

なお、これらはいずれも現地システム調整にかかる時間も大幅に短縮している。ロボット、周辺機器の設置に30分、ロボットの設定に5分、カメラの設定に10分、領域の設定に15分、動作確認に15分と、計1時間15分となっている。

久夛良木CEOは「今後、大きな変化を遂げる製造・物流業界に対して、プレイステーション同様、まさにオープンコラボレーションを進めて、新次元のシステムを提供していく」。そして、「大きなフレームワークに多くの人を巻き込みながら常識を超えた製造・物流の新ソリューション開発を目指す」と語り、ロボット業界革新にも挑戦することを明らかにした。

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