Mujinは8月30日、自動車・建機用部品メーカーであるヌカベの甘楽工場(群馬県甘楽町)で、バラ積みされた自動車用ステアリング部品(ナックルアーム粗材)の加工ライン投入作業を、ロボット知能化技術を用いて自動化したと発表した。
今回の取り組みでは、人手(バラ積み状態のナックルアーム粗材をピッキングし、コンベアへ投入)や専用機(粗材の表裏判定を行い、必要に応じて反転)、ティーチングベースのロボット(粗材を加工ラインへ投入)を使用して行っていた複雑な加工ライン投入作業の自動化を図った。
従来のティーチング(動作教示)ベースのロボットでは、バラ積み状態での粗材のピッキングが難しく、前工程で人手によるピッキングとコンベア上へ整列作業を必要としていた。今回の取り組みでは、ティーチングを必要としないリアルタイム動作生成を行うMujinのロボット知能化技術を用ることで、ロボットによるばら積み状態でのピッキングを可能にしたほか、粗材の表裏判定も合わせて行い、一連の工程をロボット1台に集約することで、省人化・省スペース化を実現した。
さらに、ロボットが掴みづらい場所にある部品を箱内で持ち直したり、部品の2個取りを検知するなど、トラブルによる生産設備の「チョコ停」を防止するための機能を多数盛り込んでいる。
なお、Mujinでは主要9メーカーのロボットとの豊富な接続経験をもとに、顧客が所有する既存ロボットを利用した自動化が可能で、今回使用したロボットもヌカベが所有している既存機を利用している。