川崎汽船は11月2日、日本無線(JRC)およびYDKテクノロジーズ(YDK)と共に船舶の自動運航船の実現に向けた取り組みとして、AI 等の先進技術を活用した操船者の的確な操船判断支援を目的とした統合操船者支援システムの共同研究開発契約を締結したと発表した。
共同研究開発では、同社の長年に渡る安全運航に関わる知識・経験とJRCおよびYDKの舶用機器開発技術の融合により、船舶の衝突・座礁等の重大海難事故を防止し、将来の自動運航船に繋がるシステム開発を目指す。
このシステムは国際海事機関(International Maritime Organization、IMO)が規定する船舶の自動運航船の開発段階の基準である Degree1を満たす事を想定しており、世界的な自動運航船開発の流
れに従うと同時に、それを更に推し進める取り組みとなる。
今回の取り組み概要と共同研究開発体制は、従来の操船が行う状況認識から最終的な操船に至るまでの各プロセスについて、パートナー3社が有する知見および技術と、グローク・テクノロジーズ社、富士通およびフォーラムエイトが得意とする先進技術を活用の上、更なる安全運航の向上に資する包括的なシステム開発を目指す。
2023年4月からは内航、外航問わず様々な航路、船種による船上実証実験を予定しており、その後本格的な社会実装を目指す。川崎汽船、JRC および YDKは、操船者への高度化支援と負担軽減の実現による船舶運航の更なる安全性向上並びに将来の自動運航船の実現に向けた開発を継続していくとしている。