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大和ハウス他/オープンデータ活用コンテストに日立物流のデータ

2022年12月01日/IT・機器

大和ハウス工業、日立物流、YRPユビキタス・ネットワーキング研究所の3社は12月1日、ロジスティクスデータ活用コンテスト「大和ハウス工業 スマートロジスティクス オープンデータチャレンジ」を12月9日から開催すると発表した。

<出席した審査委員長と審査委員>
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コンテストでは、日立物流の安全運行管理ソリューション「SSCV-Safety」から得られる実際のトラックの運行データをオープンデータ化し、その有効利用方法を競うもの。AI をはじめとしたデジタル技術を用いた新たなサービスやアプリケーションの提案を、国内外を問わず一般からも広く募集する。

大和ハウスグループでは、これまで実在する物流施設の実績データを使用したコンテストを 2014年より3回にわたり開催しており、今回が4回目となる。物流業界では、人手不足や長時間労働といった課題を抱えており、さらには2024年問題と呼ばれる、トラックドライバーの労働時間の上限規制に伴う新たな問題の発生も懸念されている。このコンテストを通じて、大和ハウス工業と日立物流がめざす「スマートで安全な物流」を、開発者と共に、デジタル技術を活用して実現したいとしている。

<大和ハウスの浦川竜哉取締役常務執行役員>
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主催者となる大和ハウスの浦川竜哉取締役常務執行役員は「2024年問題も間近に迫り、物流現場の環境整備が急がれている。今回、日立物流さんのSSCV-Safetyから得られるトラックの位置情報、トラックドライバーのバイタルデータ、ヒヤリハットに関するデータ・映像が提供されることで、非常に期待している」と述べた。

<坂村 健東洋大学情報連携学部部長兼YRPユビキタス・ネットワーキング研究所長>
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また、コンテストの際、審査委員長を務める坂村 健東洋大学情報連携学部部長兼YRPユビキタス・ネットワーキング研究所長は、まずオープンデータが世界的な潮流となっていることを述べ、日本でも東京都などで進められていることを実例を挙げて説明。さらに、コロナ禍の中でのコロナに関するデータをオープン化することで、コロナ対策に関する新たな発想のソフト等も生まれているとオープンデータの重要性を強調。「ロジスティクスにオープンデータを絡めれば、現在の物流業界が抱えている様々な課題にフィットした新たなサービスアプリケーション等の提案も可能になる」と、コンテストでの成果に期待を寄せていた。

<右端が日立物流の佐藤清輝執行役専務、センターがフレームワークスの秋葉純一社長、左端が羽田未来開発の加藤篤史SPC統括責任者>
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データを提供することになった日立物流の佐藤清輝執行役専務は「SSCV-Safetyから得られるデータで、ドライバーの運転行動や健康状態が一目瞭然になることから、当初はいやがっていたドライバーもいたが、その家族の反応では、ずっと見守ってくれている、との反応が大多数だったことから、普及を進めた。当社の関係会社以外にも提供するようにしているが、ドライバーを守ることからすれば、自社だけでなく、すべてのドライバーに利用してもらえれば、幸いだ。それが健康と安全のプラットフォーム的な役割になれば良いと思っている。その意味で、今回当社のデータを提供することにした」とその理由を明らかにした。

そのほか、審査員を務める羽田イノベーションセンター開発の9社連合の羽田未来開発の加藤篤史SPC統括責任者が会場となった羽田イノベーションセンターを解説。近未来的な施設として、スマートシティを目指している。来年にはこの地域内で自動バスの運行を定常化する予定だ。そして、フレームワークスの秋葉純一社長は、以前からオープンデータチャレンジの審査員を務めている。オープンデータによる分析で明らかになったことは、ドライバー以外にも利用できるとして、オープンデータの広がりと、さまざまな活用法を考えてほしいと訴えていた。

<開催概要>
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