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ヒョンデ/EV用自動充電ロボットを開発

2023年03月30日/IT・機器

韓国・ヒョンデ(Hyundai Motor Group)は3月29日、電気自動車(EV)用の自動充電ロボット(Automatic Charging Robot、ACR)を開発し、その機能を紹介する動画を公開した。

<ヒョンデが開発したEV充電ロボット>
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EV用ACRは、ケーブルをEVの充電口に差し込み、充電が完了すると再びケーブルを取り外すことができる片腕のロボット。今回の動画は、2022年7月に同社が公開したCGIバージョンに続くもので、実物のロボットが動く様子が撮影されている。

新しい動画は、アイオニック6がEV充電ベイに自動駐車するシーンからスタート。車両が停止すると、ACRは車両と通信して充電口を開き、内部に搭載したカメラで正確な位置と角度を計算、ロボットが充電器を手に取って車の充電用ポートに固定することで充電が開始される。充電が完了すると、ロボットは充電器を取り外して元の場所に戻し、車両の充電口のカバーを閉める。

<EV用自動充電ロボット>

ヒョンデのロボット研究所長であるヒョン・ドンジン氏はこのACRについて「特に暗い場所でのEV充電をより簡単に、より便利にすることに貢献する。また、急速充電を可能にするために充電ケーブルが太く重くなっており、特に移動に障害を持つ人々のアクセシビリティーも向上する。すべてのEVユーザーが充電ステーションでACRを使用するメリットを早期に享受できるよう、安全性と利便性の向上を目指して開発を続けていく」と述べている。

ACRの開発にあたって同社のロボット研究所は、車両の駐車位置、充電用ポートの形状、天候、潜在的な障害物、充電ケーブルの重さなど、さまざまな要素を考慮。

ロボットが充電器を充電用ポートに確実に固定するには、これらの複数の要素を同時に計算できるソフトウェア技術が必要となるため、3Dカメラを用いたAI技術をロボットに応用するアルゴリズムを開発し、この応用による次世代制御技術によって、ロボットが重い充電器を正確に取り扱うことを可能にしている。

多くのEV用充電器は、屋外にカバーもなく設置されているため、同社の技術者は研究開発センターで特注の屋外用EV充電ステーションを製作し、さまざまな条件下で性能を評価。その結果、ACRは防水・防塵等級IP65を確保し、過酷な環境下でも安定的に動作するように性能が大幅に向上している。さらに、ロボットの周囲にはレーザーセンサーを内蔵した安全ポールを設置し、静止および移動する障害物を検知することで事故を未然に防ぐことを可能にしている。

同社は、ACRがEV充電の利便性を大幅に高め、将来的には自動駐車制御システムと組み合わせることで、複数の駐車車両を順次充電して利用率を向上させることができるものとして今後も取り組む。

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