帝国データバンク(TDB)は6月8日、「物価高倒産」動向調査(2023 年5月)を発表した。
増加傾向で推移していた物価高の影響による23年5月の「物価高倒産」は、67件となり、3か月連続で60件を上回った。6月1日分から電力各社の電気料金の値上げが始まり、引き続き物価上昇の流れは続きそうだとみている。
調査データによると、2023年1月から5月までの累計は312件となり、前年同期(62件)の約5倍となった。312件を業種別にみると、「建設業」(67件、構成比21.5%)がトップ。次いで「製造業」(66件、21.2%)、「運輸業」(44件、14.1%)、「小売業」(43件、同13.8%)、「卸売業」(41件、13.1%)と続いた。
312件を業種詳細別でみると、「運輸業」が44件で最多。「2024年問題」を抱え、業界環境は厳しい状況が続いている。次いで、資材高の影響を受けた木造建築工事業者や土木工事業者などの「総合工事業(元請け)」や、とび工事などの「職別工事業(下請け)」の建設業者が上位にくる。
要因別にみると、「原材料」が 30.7%で最多となり、特に食品やアパレル関連を中心に「製造業」の倒産が目立った。次いで、「エネルギーコスト」(25.6%)、「包装・資材」(22.4%)と続き、「運輸業」や「建設業」で多くみられた。