TriOrb（トライオーブ）は6月14日、戸田建設と、建設業界の人手不足の解決や重労働作業のロボットへの代替、生産性の向上を目的に、全方向移動ロボット「TriOrb BASE」を用いた資材搬送装置の開発を目的とした共同研究を開始したと発表した。
建設現場で使用する走行ロボットの開発では、これまで倉庫等で活躍するAMR（無人搬送台車）の転用が多く試みられてきたが、建設現場特有の課題である荒れた走行路面、日々変化する環境、多数の資材が配置されたなかで求められる効率的な移動等、所望の性能を実現することは困難だった。
TriOrb BASEは、従来の全方向移動機構に比べコンパクトでありながら走破性や移動性能、メンテナンスの簡易性が高く、建設現場での運用するうえでの課題を克服できるポテンシャルを備えている。
一方、戸田建設はこれまで建設現場での運搬作業の省力化について試行を重ねてきたが、多くの課題に直面しており、これらの課題解決に対してTriOrb BASEの可搬性能、精緻な移動性能、高度な制御機能に高い期待を寄せている。
これらの背景から、建設現場でも安定した走行性能の実現を目指し、自律移動型の資材搬送装置の研究開発に着手することとなった。
＜建設現場での検証実験＞
建設現場でのTriOrb BASEの基本性能を確認するために行った実験では、段差や溝を乗り越えての走行や、270kgの資材を積載した状態での搬送について検証。今後は、実験で得た基本データを元にTriOrb BASEのハードウェアを改修し、現場環境下で自在に走行可能な自律型全方向移動ロボットの開発に取り組むとしている。
