日本百貨店協会は6月23日、百貨店業界で取り組んでいる物流の「2024年問題」への対応を発表した。
同業界では、百貨店、納品代行事業者、アパレル・ファッション関連事業者の総意で、アパレル・ファッション関連商品の「開店前納品の是正」と「納品リードタイムの緩和」に向けた取り組みを2022年度から開始している。
＜開店前納品の是正例＞
「開店前納品の是正」では、開店時間に合わせて店舗で品揃えをするために慣例化している開店前納品について、物流事業者が行っている検品作業を日中へ移行するとともに、納品時間を開店後に後ろ倒すことで、物流事業者による深夜帯作業削減やトラックドライバーの荷渡し時の待ち時間短縮を図る。
＜ピストン運行の例＞
＜集約運行の例＞
「納品リードタイムの緩和」では、納品時間に幅を持たせ、従来は開店時間に間に合わせるために複数台のトラック（ドライバー）で行っていた納品を1台のトラック（ドライバー）によるピストン運行に切り替えるほか、納品量の少ない店舗については納品回数を減便し、積載効率を向上させることで、ドライバー不足の解消を図る。
これらの施策について、先行する百貨店9社では、納品代行事業者、アパレル・ファッション関連事業者とともに具体的な検討を進めており、すでに一部の店舗では実証実験が始まっているという。
同協会では、今年6月に実施した全国の加盟百貨店向けの説明会で検討内容と実証結果の共有を図っており、これを受けて各加盟店では来年4月の改正法施行に向けた準備に入っているほか、今後は雑貨等その他の商材への拡大も視野に入れているとしている。
