日本郵船は6月22日、愛知県の衣浦港で大王製紙向けの木材チップ専用船「DAIO AUSTRAL」（ダイオー・アウストラル）に、同社が運航する外航船として初めて、日本国内でバイオディーゼル燃料を供給したと発表した。
＜位置図＞
＜バイオ燃料補給の様子＞
ベトナムのカイラン港まで試験航行を行い、現地時間の6月29日、無事に到着した。
この船は大王製紙の木材チップを輸送するため同社が運航しているもので、バイオ燃料の供給を豊田通商マリンフューエルから受け、航行中にバイオ燃料使用時の主機・発電機の動作検証などを行った。
バイオ燃料は、廃食油などの生物由来の有機性資源（バイオマス）を原料としており、燃焼時の二酸化炭素（CO2）排出量は実質ゼロとみなされる。重油焚き船舶エンジンでも使用可能なため、重油からゼロエミッション燃料への過渡期で温室効果ガス（GHG）の排出を削減する有力な手段とされている。
同社グループは2019年度以降、2022年度までにばら積み船を主とする外航船7隻、タグボート2隻でバイオ燃料を使用した試験航行に成功している。2023年度も複数隻での試験航行を目指しており、今回、大王製紙の協力を得て実施に至ったもの。
同社は今後も、バイオ燃料やその他の次世代燃料の導入に積極的に取り組み、海上輸送での脱炭素化を推進する。
■「DAIO AUSTRAL」概要
全長：210m
全幅：36.5m
総トン数：49035トン
載貨重量トン数：6万575トン
建造年：2009年
造船所：大島造船所（長崎県西海市）
