三井不動産と芝浦機械は9月29日、神奈川県座間市ひばりが丘において、芝浦機械相模工場の一部敷地で開発を進めていた「MFLP 座間」を同日竣工したと発表した。敷地面積約6万1000m2、延床面積約13万4000m2、ワンフロア約3305m2、地上4階建てのマルチテナント型の物流施設となる。
＜「MFLP座間」外観＞
「MFLP 座間」は、最寄りの東名高速道路「綾瀬スマート IC」から約4.5kmとアクセスが至便、かつ「横浜町田 IC」や圏央道「厚木 IC」、国道16号線が利用可能。首都圏一帯を様々な道路網でカバーでき、都心から全国各方面への輸送効率が非常に高いエリアに位置する。また、JR線直通の相鉄本線「さがみ野」駅から徒歩11分と従業者の通勤利便性に優れ、周辺人口も多く雇用確保においても有利な立地だ。
＜位置図＞
施設面では、ダブルランプウェイ、免震構造、72時間対応の非常用発電機等のBCP対策、1階トラックバースは国際基準（45ftコンテナ車両）に対応し、全館空調等、業界トップレベルのスペックを備えている。また、自然を感じる「森のエコリゾート」をイメージし、共用部を充実させ多様なワークスタイルにも対応する。
さらに、物流の2024年問題を見据えトラックの出入口に車番認証システムを設けた。テナント企業はバース予約システムを導入することでトラックの入庫を把握し事前準備が可能となり、ドライバーの待機時間を短縮する。また、各フロアにドライバー専用休憩室を設置し、トラックドライバーにとっても働きやすい環境を提供する。
＜ラウンジ＞
＜ワーケーションテラス＞
＜ドライバー専用休憩室＞
敷地は、芝浦機械相模工場の南側一部。芝浦機械と三井不動産は2021年から同地の有効活用について検討を開始し、約100億円で三井不動産に譲渡。共同で物流施設の事業化を推進してきた。
また、「MFLP 座間」の計画にあたり、国道246号の慢性的な渋滞がより悪化することが課題となっており、その対策として国土交通省関東地方整備局横浜国道事務所（横浜国道）と協議し、芝浦機械及び三井不動産で道路車線延伸工事の設計・施工を行い、9月21日に工事が完了した。同工事により、国道246号の「東原五丁目交差点」における下り線の右折レーンを約20ｍから約85ｍに延伸し、渋滞緩和と安全性向上の効果が見込まれている。
さらに、同施設敷地東側の一部と隣接する公共歩道の一部を「防災パーク」として整備し、地域の防災力向上にも貢献する。座間市・芝浦機械・三井不動産で防災協定を9月26日に締結しており、同パークでは地域の防災訓練や防災学習を実施する計画で、災害時に炊き出し用かまどとして利用可能な「かまどベンチ」や太陽光発電による電力供給でスマートフォンなどが充電できるベンチ等も設置されている。
＜防災協定締結式の様子＞
＜防災パーク＞
このほか、同施設ではコーポレートPPA 事業として屋上に約168万kwhを発電する太陽光パネルを設置する予定。また、屋内照明のLED化による省エネ、グリーン電力提供サービスの導入により、MFLPでは2施設目となるグリーンエネルギー倉庫となる。既に「ZEB」認証を取得しており、DBJ Green Building 認証「5スター」、CASBEE（建築環境総合性能評価システム）Sクラスについても取得する予定だ。
■施設概要
名称：三井不動産ロジスティクスパーク座間（MFLP 座間）
所在地 神奈川県座間市ひばりが丘4-29-1
敷地面積：6万916.32m2（約1万8427.18坪）
延床面積：13万4072.10m2（約4万556.81坪）
規模・構造：地上4階建・RC-S造（倉庫）、S造（ランプウェイ）、免震構造
設計者・施工者：大林組
着工：2022年6月13日
竣工：2023年9月29日
