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TDB/ダイハツ不正、部品製造業等8000社超に影響

2023年12月22日/調査・統計

帝国データバンク(TDB)が12月21日にまとめた「ダイハツ工業のサプライチェーン調査」によると、売上高の1%以上を依存しているサプライチェーン企業は8136社、派生する売上高は推計2兆2110億円に上ることが明らかとなった。

ダイハツ工業は製造する64車種・3エンジンの認証試験において、174個の不正が発覚したと公表。同日より、国内外で生産中のすべてのダイハツ開発車種を、一旦出荷停止とすると発表している。

トヨタ自動車の子会社でもあり、出荷停止は広範にわたるため、ダイハツとの取引を通じてものづくりを支える国内のサプライチェーン企業に与える影響が懸念されている。

業種細分類別に見ると、サプライチェーンで最も多いのは「自動車部分品・付属品製造業」で630社、次いで「金型・同部分品・付属品製造業」の468社など製造業、部品等を搬送する「一般貨物自動車運送」は408社と多く、業種の裾野は広い。

<業種別社数・上位>
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サプライチェーン企業は47都道府県すべてに分布しており、トヨタグループのお膝元で、多くの自動車関連産業が集積する「愛知県」が最も多く2084社。派生する売上高は推計5674億円に上る。次いで、本社(池田)工場のある「大阪府」が 1043社・2607億円、「東京都」562社・2006億円などとなっている。

<都道府県別社数・上位>
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また、社数は多くないものの滋賀(竜王)工場のある「滋賀県」や、子会社であるダイハツ九州が拠点を置く「大分県」では、県内企業に派生する売上高が大きく、「滋賀県」187社・903億円、「大分県」89社・4800億円となっている。

同調査は、TDBが保有する「商流圏~売上高依存度推計データ」をもとに、ダイハツ工業に対し、部品などのモノやサービスを提供する周辺産業(商流圏)の特徴や取引規模を2023年時点のデータを基準に推計したもの。

TDBは「各企業の売上高依存度は、平均4.2%。出荷停止措置が長引けば、これらの企業業績や雇用、地域経済への影響が懸念される」としている。

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