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景気動向/株価史上最高値も「国内景気」「運輸・倉庫」とも景気悪化

2024年03月05日/調査・統計

帝国データバンク(TDB)は3月5日、TDB景気動向調査(全国)― 2024年2月調査 ―を発表した。

<全国の景気DI>
20240305tdb - 景気動向/株価史上最高値も「国内景気」「運輸・倉庫」とも景気悪化

それによると、国内景気は、2か月連続で悪化。2024年2月の景気DI は前月比0.3 ポイント減の43.9となり、2か月連続で悪化した。国内景気は、株式相場など金融市場が好材料となったものの、消費者の節約志向の高まりや自動車の生産・出荷停止などが悪材料となり、小幅ながら悪化傾向が続いた。今後の景気は、悪材料が集中し下振れるが、夏以降から賃上げなど個人消費を中心に緩やかに持ち直すとみられる。

業界別では、10業界中6業界、51業種中32業種で悪化した。物価高騰にともなう消費者の節約志向の高まりや製造業の停滞、海外経済の動向などが景気の下押し要因となった。他方、史上最高値の更新が続いた日経平均株価などの金融市場の安定はプラス材料だった。

「運輸・倉庫」の景気DIは41.9と前月比1.6 ポイント減。2か月連続で悪化。「燃料・車両価格の高止まり、ドライバー不足」(一般貨物自動車運送)といった声のほか、「中国向け出荷が減少している」(港湾運送)など荷動きの悪さを危惧する声もあげられた。また、時間外労働時間の上限規制適用を直前に控え、2024年問題に対して業界全体が不安を抱えているといった声も少なくない。他方、旧正月を迎え中華圏からのインバウンドが後押しし、貸切バスや旅行業などで改善がみられた業界別の景況感企業の声の「運輸・倉庫」では、他に、「新型コロナの収束感が消費に繋がっている(こん包)、「原油が高止まりし、輸送料金にコストの上昇分を転嫁できていない。2024年問題の対応で売り上げも減少し、乗務員も不足している」(一般貨物自動車運送)といった現況の声もあった。

また、先行きに関しては、「取り扱いが精密機器に限るが、2023年よりも荷動きが活発である」(普通倉庫)、「物流の2024年問題が着地すれば、少し良くなると考える」(こん包)の声がある一方、「石油化学製品の出荷の減少傾向が継続する見込み」(港湾運送)、「物価高騰も止まらず、それに係る運賃の転嫁も進まないまま拘束時間・時間外労働の短縮規制に入ることが死活問題である」(一般貨物自動車運送)といった悲観的な声もあった。

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