「運輸安全・物流DX EXPO 2024」が5月29日、東京ビッグサイトで開幕した。
31日までの3日間開催されるこの展示会には、IT・デジタルソリューション企業など約70社が出展。「物流2024年問題によく効くデジタル特効薬あります!」をテーマに、安全運転、事故防止、ドライバーの健康管理、DXによる業務効率化等の製品・サービスが西3・4ホールに集結した。
今年4月にトラックドライバーの時間外労働の960時間上限規制と改正改善基準告示が適用されたばかりというタイミングもあり、展示は動態管理や勤怠管理システムの提案が目立った。特に必要な機能を個別に選択して導入できるようにしたサービスが増加しているのが特徴で、導入済みのシステムを補うもの、低コストで導入しやすいものが求められている印象だ。
また「時間外労働960時間」への対応を、いかに効率良く行えるかも大きなポイント。時間外労働時間を可視化し、警告などの機能も備えるシステムに注目が集まっていた。改正に伴う細かなルール変更などは「管理しきれない事業者も多い」といい、その点でも動態・勤怠管理システム導入がさらに進むことになりそうである。
<「ロジポケ」の多様な機能をアピールしたX Mile>
<管理者不足に対応する自動点呼システムも注目を集めていた>
一方、「安全」も運送業界の大きな課題だが、今回の展示で目立ったのは、大きく分けて二つ。まず一つ目は酒気帯び運転への対応で、通信機能や勤怠管理システムと連動するアルコールチェッカーの提案が目立つ。アルコールチェックは22年の道交法改正で白ナンバー車でも義務化されるようになったが、早ければ来年にもさらにルールが厳格化するとも言われており、今後に備えた多機能型の出展が多かった。
<東海電子はアルコールチェッカーと血圧計の組み合わせも展示>
二つ目は、安全教育に関するサービス。背景としてはドライバーの高齢化と、新人教育の効率化だ。共通するのは業界全体での人材不足で、ベテランドライバーの運転能力をいかに維持するか、新人ドライバーをいかに早く戦力化するかがカギとなる。特に新人ドライバーの教育については、講師となる人材も不足していることから、VRや動画などで体感させ、短時間で知識を身に付けさせるサービスが増えている。
■運輸安全・物流DX EXPO 2024 開催概要
会期:2024年5月29日~5月31日
10:00~18:00(最終日17:00終了)
会場:東京ビッグサイト 西3・4ホール
入場: 無料(事前登録制)
公式サイト: https://www.truckexpo.jp/2024/
主催・企画・運営:リックテレコム
同時開催:ワイヤレスジャパン×ワイヤレス・テクノロジー・パーク(WTP)2024
■詳細な内容はトラックニュースを参照
運輸安全・物流DX EXPO/960時間対応と安全教育の提案目立つ