日本貨物鉄道(JR貨物)は9月10日、同社の3箇所の車両所で、輪軸組立作業時に不正行為を行っていたことが判明したと発表した。
経緯は、7月24日に発生した山陽線新山口駅構内での貨物列車脱線事故を受けて、9月6日に関西支社広島車両所内において輪軸組立作業の確認を行っていたところ、社員からの申告により、車輪及び大歯車の圧入作業において、圧入力が基準値を超過していた場合、検査結果データを基準値内のデータに差し替えて、検査を終了させていたことが判明したもの。他の車両所についても社内調査を行ったところ、圧入力が基準値を超過した状態で、検査を終了させていたことが判明した。
発生箇所は、北海道支社輪西車両所、関東支社川崎車両所、関西支社広島車両所。
北海道支社輪西車両所では、圧入作業において、圧入力が基準値を超過しているにも関わらず、検査データを検査記録表に添付し、検査を終了していた。件数は貨車309両。
関東支社川崎車両所では、圧入作業において、圧入力が基準値を超過した場合、検査記録表に基準値上限の数値を記入し、作成していた。件数は貨車218両。
関西支社広島車両所では、圧入作業において、圧入力が基準値を超過した場合、検査結果データを基準値内のデータに差し替えて、検査記録表を作成していた 。件数は機関車4両、貨車33両。
背景として、いずれの箇所においても、作業担当者は、圧入力値が基準値を下回った場合は、車輪及び大歯車の固定に不具合が生じる可能性があると認識していたが、基準値を若干超過する分には問題が無いものと認識していた、という。
JR貨物では、当面の対応として、検査結果データが基準値を超過していた輪軸を搭載した車両(機関車4両、貨車 560両)は運用停止の作業を進めている。その後、可及的速やかに車軸の検査を実施する。また、今回、不正行為を行っていた車両所における輪軸組立作業は、作業体制を再整備するまで作業を停止する。